ダクト工事とは?【費用と相場】風量計算の方法と工事の流れを解説
目次
飲食店を開業する時に気になるのは、「飲食店のダクト工事の費用はいくらかかるか?ダクト工事の相場価格は?」ということではないでしょうか?
この記事を最後までお読みいただくことで、飲食店のダクト工事費用と相場価格、風量計算の必要性を学べます。
当サイトは、2010年から数多くの飲食店を工事しており、類似サイト以上に多くの知識と実績がありますので、ぜひ参考にしてください。
結論から言えば、飲食店におけるダクト工事は、設置する給排気設備によって大きく費用が異なります。以下のポイントを押さえて、ダクト工事の費用が安くなる物件を選びましょう。
ダクト工事とは?|ダクトの種類を解説
まずは、ダクト工事の概要を理解しましょう。ダクト工事とは、空気循環のための風道となるダクトを設置する作業を指します。
ダクトを設置するためには、専門的な知識や技術が必要なので資格が存在します。また、ダクトにも種類が多くあるため、念のため理解しておきましょう。
- 空調ダクト
- 給気ダクト
- 排気・換気ダクト
- 排煙ダクト
- 集塵ダクト
それでは、詳しく解説します。
空調ダクト
空調ダクトの役割は、冷暖房や換気システムから供給される空気を均等に各部屋に分配し、必要な場所に適切な温度と空気の流れを届けることです。
空調ダクトを設置すれば、室内の温度や湿度を効率的に管理できるため、快適な空間を維持できます。特にオフィスビルや飲食店などの大型施設では、空調ダクトが欠かせない要素です。
給気ダクト
給気ダクトは、外部から新鮮な空気を建物内に取り入れるための配管です。特に、高速道路のトンネルや夏のオフィスなど、換気が不十分な場所では給気ダクトが不可欠です。
給気ダクトによって、室内の空気の質が向上し快適な環境を維持できます。
排気・換気ダクト
排気ダクトは、室内の汚れた空気や不要な湿気を外部に排出するダクトです。換気ダクトは、排気ダクトと違い空気の循環を目的としています。
換気ダクトは、人が出入りする場所には設置されており、学校やオフィスなどさまざまな場所に活用されています。
排気ダクトは、室内の空気を効率よく排出できるため使用されている代表的な場所が飲食店です。その他、精密機器の工場や食品加工工場にも設置されている場合があります。
排煙ダクト
排煙ダクトは、火災などの非常時に建物内の煙を効率的に排出するための設備です。排煙ダクトは、煙を迅速に排出し、避難経路を確保するために重要な役割を果たします。
火災による二次被害を最小限に抑える効果も期待できるため、特に商業施設やオフィスビル、公共施設などでの設置が義務づけられています。
集塵ダクト
集塵ダクトとは、工場や作業場などで発生する粉塵や微粒子を集めて排出するために使用されるダクトです。
主に木工業や金属加工業など、粉塵が大量に発生する環境で利用され、安全な作業環境を保つために重要な役割を果たします。
木材加工業では木くずやおがくずが飛散するため、耐久性や吸引力の強いダクトが求められます。一方、化学工場では、化学物質に耐性のある素材のダクトを使用することが重要です。
ダクト工事の費用と相場【飲食店】
飲食店のダクト工事は、設置する給排気設備によって大きく費用が異なり、価格の幅が広くなっています。
- ダクト工事の費用は幅が広い
- ダクト工事の費用が高くなる物件の特徴
- 費用を抑えるためには複数の業者から見積もりを取る
ダクトは飲食店にとって重要な設備の1つでもあるため、ダクト工事にかかる費用やダクトの種類などについて、しっかりと把握しておきましょう。
ダクト工事の費用は幅が広い
ダクト工事は排気工事とも言い、フードダクト工事や換気扇、屋上排気工事などで価格がかなり違います。排気工事の一般的な費用は3万円から始まり、上は300万円という幅の広さです。
最も費用のかかる工事は、屋上排気工事で、100~300万円もかかります。ダクトを屋上まで上げれば、当然その分の材料費も増えますし、工事のために必要な足場だけで100万円くらいはかかります。
インバータースイッチであれば3~5万円となっているため、一口にダクト工事といっても種類も費用もさまざまなのです。
飲食店を開業する際、ダクト工事は必要不可欠な工事なので、しっかりと相場価格を知った上で工事業者に依頼しましょう。
ダクト工事の費用が高くなる物件の特徴
飲食店のダクト工事の費用は、ダクトの排気口をどこまで上げる必要があるかによって大きく変動します。
特殊な立地やテナントを借りた際に、建物の屋上までダクトを上げる必要があれば、その分工事費用は高くなります。一般的な相場の目安は、建物が1階層上がるたびに費用が20万円上がります。
スケルトン物件で開業する場合は、ダクトを屋上まで上げる必要がない物件を選ぶと良いでしょう。排気をそのまま壁から出しても良くて、かつ特殊な消臭装置を付ける必要がない物件を選ぶと、ダクト工事の費用を抑えられます。
それ以上にダクト工事の費用を抑えるには、居抜き物件を利用することです。
前のテナントのダクトをそのまま利用できれば、ダクトを清掃するだけで使用できます。しかし、居抜き物件は中古なので、事前に使えるかチェックしておきましょう。
費用を抑えるために複数業者から見積もりを取る
複数の業者に見積もりを依頼する理由は、何の飲食店にどういう目的でダクトを設置するかによって、工事費用に価格に差が生じるからです。
飲食店のダクト工事を得意としている業者もいれば、あまり経験が無い業者もいます。飲食店を得意とする業者なら要望を細かく聞いてくれますが、飲食店が不得意な業者は、工事費用が高くなる可能性もあります。
見積もりだけであれば、無料で行ってくれる業者もたくさんあります。近年ではインターネットの普及に伴い、インターネットで見積もりを申し込めますので、労力を惜しまずに利用してみましょう。
ダクト工事の費用の差はかなり大きく、相場を知らなければ想定外の金額に驚くことになります。一般的な相場をしっかり把握して、見積もりを出してもらう際の判断材料としましょう。
【ダクト工事】飲食店に風量計算が必要な理由
飲食店には厨房が欠かせませんが、厨房はしっかり換気して、空気を入れ替えることが大切です。特に飲食店では、風量計算をしっかり行わないと、厨房内だけでなく、客席にも不具合が出てしまいます。
効率よく換気するには、どのくらい熱量が出て、どのような使い方をするかを元にして、風量計算を行う必要があります。
そもそも風量計算とは?
風量計算とは、その店舗に合ったダクトや換気扇を選ぶために、厨房から出る熱量を計算し、必要な換気量を計算することです。
自宅で料理をする場合は少しの熱量しか出ませんが、飲食店の厨房で調理をする場合には、それなりの熱量が発生します。熱量の大きさに合わせたダクトや換気扇を選ぶためには、必ず風量計算が必要なのです。
建築基準法における計算方法は、理論廃ガス量によって必要換気量を求める方法が採用されていて、「V=NKQ」という計算式で必要換気量を求めます。計算式に当てはまる数値は以下のとおりです。
- V:必要換気量
- N:レンジフードの形状や寸法による定数(20,30,40)
- K:理論廃ガス量(0.93)
- Q:発熱量または燃料消費量
Nの定数がフードの種類によって変化しますが、このように必要換気量を計算します。法律で求められている基準をクリアして、厨房に必要な換気量を確保できれば、快適な店内を作れます。
【ダクト工事】風量計算をしないデメリット
難しい計算をしなくても、ある程度のダクトや換気扇を付けておけば、厨房が暑くなったり、煙で一杯になることはないと思うかもしれません。
しかし、風量計算をせずに厨房の内装工事をしたり、厨房機器を購入したりしてしまうと、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 換気量が不足して、空気が悪くなる。
- 冷暖房効率が落ちて、光熱費が高くなる。
- ファンの耐久性が落ちて、壊れやすくなる。
空気の流れは目には見えないものですが、見えないものだからこそ、しっかりとした計算が必要になります。店内が十分に換気されないと、店内の空気が悪くなるので、息苦しくなってしまうこともあります。
換気量が必要以上でも、必要以下でも、どちらの場合も冷暖房が過剰に働くため、光熱費が高くなってしまいます。これらはすぐに表れる弊害ではありませんが、顧客満足度にも影響するため、長い目で見れば賢い選択とは言えません。
【ダクト工事】風量計算は経験豊富なプロに相談
では、これらの注意点を踏まえて、風量計算はどのようにすれば良いでしょうか?その答えは簡単で、開業の際に予算をケチらず、設備工事に対してしっかりお金をかけることです。
たとえば、風量計算した結果、必要なダクトや換気扇が自分が思っているものよりも高額だったとします。果たして、この場合でもしっかりとお金をかけられるでしょうか?
ダクトや換気扇は、飲食店の設備の中ではあまり目立たないものですが、従業員だけでなく、お客様が食事をする客席にも影響します。風量計算を行えば、上記のようなデメリットを避け、快適な空間を提供できます。
飲食店の施工実績がたくさんある内装業者であれば、その業種に合った内装デザインを提案してくれるだけでなく、その業種に合ったダクトや換気設備も提案してくれます。
飲食店をオープンする方は経営者であって、工事の専門家ではありません。しっかり風量計算された快適なお店を作るには、飲食店の施工経験が多い、プロの内装業者に相談することが一番の近道です。
設備を長持ちさせるためにも、お客様が満足できる環境を作るためにも、風量計算は大切です。換気、空気という目に見えない部分ですが、予算をケチらずに工事を行って、お客様とスタッフにとって快適なお店を作りましょう。
【4STEP】ダクト工事の流れとは?
本章では、ダクト工事の流れを簡単に解説します。
- 現場調査・打ち合わせ
- 見積もりの確認
- ダクト設置の工事
- 試運転・最終確認
ダクト工事を依頼する場合は、事前にある程度流れを把握しておくと安心できます。それでは、詳しく見ていきましょう。
STEP1:現場調査・打ち合わせ
ダクト工事の最初のステップは、現場調査と打ち合わせです。
現場調査の段階で打ち合わせを行い、要望や予算、工事のスケジュールを調整します。どの機能に重点を置くか、どのような環境を実現したいのかを明確にするのが大切です。
打ち合わせによって、最適なダクトの種類や数が理解できるでしょう。
STEP2:見積もりの確認
次に、見積もりを確認してください。現場調査や打ち合わせが完了した後、工事の具体的な内容に基づいた見積もりが提示されます。
見積もりの確認で重要なことは、相見積もりです。必ず複数社から見積もりを取得し、物事を慎重に進められれば、後悔のないダクト工事を実現できるでしょう。
納得いかない部分があれば、早い段階で業者と相談し、調整することが大切です。
STEP3:ダクト設置の工事
契約完了後は、具体的な工事が始まります。まず、現場にダクトや必要な材料が搬入され、工事チームが設置に取りかかります。
ビルや飲食店のように多くの部屋やスペースがある場所では、各部屋で適切な空調や換気が行われるように、設計と現場の連携が重要です。
STEP4:試運転・最終確認
最後に、ダクトが正しく設置され、設計通りに機能しているかチェックします。
具体的には、異常音や接続が緩んでいる箇所が無いか、見える部分だけでも確認しておくのがおすすめです。この工程を通じて問題が無ければ、無事に引き渡しが行われます。
ダクト工事に関するよくある質問とは?
最後に、ダクト工事に関するよくある質問を解説します。
- ダクト工事に必要な資格とは?
- ダクト工事の費用が高くなるケースとは?
- ダクト工事を専門業者に依頼する際の注意点とは?
それでは、詳しく見ていきましょう。
ダクト工事に必要な資格とは?
ダクト工事には、資格が必須ではありません。そのため、ダクト工事に関係のある資格を複数紹介します。
- 管工事施工管理技士
- 建築板金技能士
- 工場板金技能士
- 配管技能士
管工事施工管理技士は、ダクト工事に関わる設計や施工管理を行う際に求められ、特に大規模な工事ではこれらの資格を持つ技術者が必要です。
その他、作業者として現場で工事を行う場合には、高所作業車運転技能講習や足場の組立て等作業主任者など、特別な技能講習の資格が求められます。
ダクト工事の費用が高くなるケースとは?
ダクトを設置する場所が広範囲にわたる場合や、建物の構造に合わせて複雑な設計が必要な場合は費用が増加します。
また、天井が高い場所やアクセスが困難な場所での作業も、費用が高くなる要因です。
他にも、既存の配管や電気設備が干渉して調整や移設が必要になるケースは、見積もり以上の費用が発生する恐れがあるでしょう。
ダクト工事を専門業者に依頼する際の注意点とは?
ダクト工事を専門業者に依頼する際の注意点は、主に以下の通りです。
- 信頼と実績のある施工会社か
- 複数社から見積もりを取得したか
- アフターフォローは充実しているか
信頼できる業者は、工事後のサポート体制もしっかりしているはずです。ホームページや口コミを読みながら、信頼できる会社へ依頼しましょう。
まとめ|ダクトを含む内装工事は相見積もりが重要
ここまで、飲食店を開業する際のダクト工事費用と相場価格、飲食店の風量計算の必要性について解説してきました。
こちらの記事で、飲食店のダクト工事費用の目安を知り、風量計算のポイントを学べたと思います。こちらの情報を参考にして、理想のお店が完成することを願っています。
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