・商業施設内のフードコートに隣接する立地から、テイクアウトによる需要の多さを想定し、腰壁内に設けたディスプレイショーケースを通してお客様が食材やメニューを選びながら会計へと運ぶ動線を最優先したプランとしました。

・一号店の出店の際から多店舗展開を視野に入れておいたため、カウンター席とキッチンを隔てる垂れ壁には博多織の装飾を継承。

・桃園の商業施設内という立地上、統一阪急百貨台北店より高級感を抑え、キッチンをよりオープンにして幅広い客層が利用しやすいような空間計画としました。

・揚げ場を店内中央に配置し、職人をぐるりとカウンターで囲むプランにしました。

・店を彩る仕上素材は福岡産のものを使いたいという想いから、カウンターの外径そのまま上部に約7ｍ四方の天蓋を設け、それを特別に紫と銀の糸で「博多献上柄」に紡いだ「博多織」で覆いました。

・漆黒の中に浮かび上がる博多織と、その中心で食材と対峙し最高の天ぷらをお客様に献上する和食職人を演出するライティングを仕掛け、高級感と空間の広がりをもたせるために、壁面は鏡面の黒大理石を貼り、紫の博多織で囲われた空間が幾重にも反射するような演出を施しました。

・ミシュランの星を獲得しました。

・愛知県豊橋市に本店をおき、2代目が日本料理も修業し、長年抱いていた東京出店の天婦羅会席のお店。

・中目黒の喧騒から坂道を登った地下1階。あえて目立たない、隠れ家的なロケーションを探し求めた場所です。

・日本の伝統の食文化である「天婦羅会席」の店で、オーナーからのコンセプト依頼は「無機質」な空間。

・進める中で、マテリアル集めが楽しく進められました。

・お店への階段を下りると、黒左官櫛引と縦格子のアッパーライトが迎えてくれます。

・エントランスは、コンクリート打ちっぱなしと黒の和紙の壁面で、間接照明、御影石の季節の花のディプレイ台があります。

・客席の床は大判の黒の磨きのタイルで、正面に黒御影陰石の半円弧カウンター席、両サイドにテーブル席、個室を配したスタイリッシュな空間の中で、お花の調度品、選び抜かれた器、そして真心を込めて作った料理が迎えます。

・ミシュラン1つ星を獲得。

・横浜の山手から、みなとみらいグランドセントラルビル2階へ移転。オーナーのきめ細やかな『こだわりとおもてなし』と、ビル側の条件を満たすように、デザインの擦り合わせを行いました。

・客席エリアを3つのブロックに分け、天婦羅店のオーナーの見せ所となる弧を描くカウンターをメインにし、1番のこだわりである外部のロケーション見渡せる客席と、カウンターに続いた個室席を作りました。

・テーブル席とテラス席は、パーティーのニーズ合わせられるように、「よしず（すだれのような物）」で仕切られています。

・店内はパーテションと縦格子で視線を遮り、各所に間接照明を用いて、まろやかな流れのある空間構成にしました。

・大きなテラスから、みなとみらいの喧騒を感じながら、「ミシュラン1つ星」の料理を堪能して戴ければと思います。

・「揚げたての天ぷらをダイレクトにお客様に提供する」というコンセプトのもと、カウンター越しに店員が全ての席へ直接支給できるスタイルをとる。

・厨房区画と客席を隔てる境界として博多織を使用。異なる三つの緑色で染色された糸で紡いだ博多織を、三重グラデーション上に垂らしております。

・外廻壁面は薩摩黒土を使用したワラスサ入り撫で切り左官仕上げとし、高さ方向に等分、コの字に曲げた銅板を壁とフラットに四方水平目地として挿入、壁に落ち着きと共に艶やかな表情を持たせました。

・ペンダントライトも同じ銅色で統一、カウンターの杉の色味と墨色の壁床、各々の素材感を引き立て合いながらバランスの取れた上品な空間になったと思います。