原価率は30%が基本?計算方法をわかりやすく解説
目次
飲食店の売上を左右する要素はさまざまです。売上にかかわる要素のひとつとして、原価率が挙げられます。飲食店の原価率は、基本的に30%とされています。
この記事では、原価率についての計算方法や飲食店における原価率の基本、原価率を抑えるコツを解説します。
原価率とは?計算方法を紹介
原価率とは、売上に対する仕入れ金額のことです。たとえば、ランチを1,000円で提供したとしましょう。ランチを作るのに仕入れた材料が300円であれば原価率は30%となります。原価率が高いと利益が生まれにくく、原価率を抑えられれば利益を上げられるようになります。
原価率は、次のとおり計算します。
- 原材料費÷売上×100=原価率
上述のように、原材料費が300円のランチを1,000円で提供した際の原価率は次のとおりです。
- 300円÷1,000円×100=30%
飲食店のメニューを考案する際は、提供した際の原価率がどれくらいになるかを参考にしてみましょう。
飲食店の原価率は30%が基本?
飲食店の原価率はどれくらいが基本なのでしょうか。一般的には、飲食店の原価率は30%が基本とされています。飲食店の原価率は30%が基本とする考えは、経費を90%以内に収めることが目的です。
飲食店を経営するうえでは、経費を90%以内に収めるのが理想と考えられています。経費には原材料費以外にも人件費や物件の賃料などが含まれます。人件費や物件の賃料として支払う費用を考慮すると、原材料に使える費用は予算の30%となります。
そのため、飲食店の原価率は30%が基本と考えられています。飲食店における原価率は30%が基本とされていますが、業態によってわずかに異なる傾向にあります。
ラーメン店
ラーメン店の原価率は、一般的に30%前後です。しかし、チェーン店の中には規模の大きさを活かして、原価率20%ほどでやりくりしているケースもあります。
ラーメン店の場合、カウンターのような狭い店内であれば人件費を抑えられるため、原価率以外にかかる経費も削減可能です。
レストラン
レストランはお客様が長く滞在して食事を楽しむ場所です。そのため、品ぞろえの多さやメニューの差別化が求められ、原価率も30%を超えてしまう傾向にあります。
また、レストランは厨房だけでなくフロアのスタッフも必要です。そのため、人件費が30%を超えてしまう店舗もあるでしょう。
カフェ・喫茶店
カフェや喫茶店の場合、メインのメニューであるコーヒーの原価率は10%に抑えられることがあります。しかし、銘柄によっては原価率が30%を超えてしまうケースもあるかもしれません。
カフェ・喫茶店もレストランと同様、接客にある程度のクオリティが求められます。そのため、人件費がかさんでしまう可能性があります。
飲食店の原価率を抑えるコツ
飲食店が売上をアップさせるには、原価率を抑えることが大切です。原価率を抑えるコツは次のとおりです。
- 値上げをする
- 原価率を抑えたメニューを開発する
- アルコールに注力する
- 仕入先を見直す
- 大量に仕入れる
- メニューの分量を決める
- 食材のロスを減らす
値上げをする
すぐ取り組める原価率を抑える方法としては、値上げが挙げられます。たとえば、原材料費が300円のランチを1,000円で提供した場合の原価率は30%ですが、1,500円で提供した場合は20%まで原価率を抑えられます。
また、実際に価格を上げなくても原価率は抑えられます。料理の一人前の量を減らす、個数を減らすといった施策を講じることで原価率の抑制が可能です。
しかし、値上げや量の削減はお客様からの信頼を失う可能性があるため、タイミングをしっかりと見極めましょう。
原価率を抑えたメニューを開発する
飲食店の原価率は30%が基本ですが、すべてのメニューを原価率30%にする必要はありません。
たとえば、原価率を抑えたメニューを開発して、その割合を増やせば売上の増加につながるでしょう。一般的にフードよりもドリンクの方が原価率を抑えられるため、売上の増加が期待できます。
原価率を抑えたメニューをお客様に多く注文してもらうには、POPの作成やスタッフの声掛けキャンペーン実施などに取り組むのが効果的です。
アルコールに注力する
アルコールを取り扱っている飲食店であれば、注力してみましょう。アルコールは基本的に原価率が低いため、売上の割合が増えれば全体的な原価率を下げられます。中でもサワーやチューハイは原価率が低いアルコールです。
アルコールに注力するには、POPの作成や従業員の積極的な声かけが大切です。
また、普段あまりアルコールを注文するお客様が少ない店舗であれば、アルコール類を時間限定で割引するハッピーアワーを導入してみましょう。ハッピーアワーを導入することで忙しい時間を分散できるため、シフト作成にも役立ちます。
仕入先を見直す
飲食店をオープンして以来、仕入先が一緒という場合は、一度仕入先を見直してみましょう。原価率を抑えられる仕入先がないか確認して、必要であれば契約を結びます。
また、現在取引している仕入先であっても、新たに見積もり作成をお願いしてみましょう。新たに見積もりを作成してもらったことで、仕入れにかかる費用を削減できる可能性があります。
大量に仕入れる
大量に仕入れることを条件に、取引先と交渉をしてみましょう。大量仕入れを条件に、仕入価格を抑えられる可能性があります。
ただし、大量に仕入れる際は品目に注意しましょう。コーヒー豆や冷凍できる野菜など、長期保存に適した品物を仕入れることが大切です。
メニューの分量を決める
お客様に提供しているメニューの分量を決めることも、食材の無駄を抑えられるため原価率を抑えられます。また、従業員によって作るメニューの分量に違いがあると、クレームにもつながりかねません。
食材の無駄、不要なクレームを抑えるために、マニュアルによってメニューの分量を定めましょう。
食材のロスを減らす
食材のロスを減らすことも、原価率の低下につながります。在庫管理や賞味期限管理を徹底して、食材を無駄なく使用しましょう。食材ロスが多く発生してしまうメニューがあれば、数量を限定する、期間を限定するといったように食材ロスを減らせるような工夫を凝らしましょう。
また、オーダーミスも食材ロスの原因です。そのため、食材ロス防止の観点からスタッフにも緊張感を持って接客するように伝えましょう。
【まとめ】原価率を把握して飲食店の売上を向上させよう
原価率とは売上に対する仕入れ金額です。原価率は「原材料費÷売上×100」という計算式で算出可能です。原価率を抑えられれば、売上の向上につなげられます。
飲食店の場合、30%ほどが原価率の基本です。原価率を下げるためには値上げや原価率を抑えたメニューの開発、仕入先を見直すなどの対策を講じましょう。
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