飲食店レイアウトの基本と注意点を解説【8つのポイントを押さえる】
目次
店舗のレイアウトは、お客様にまた来たいと思ってもらうために欠かせないポイントです。そのため、売上につながる重要な要素といえるでしょう。飲食店もレイアウトのポイントを押さえることで、売上の増加につながります。
この記事では飲食店レイアウトの重要性や、レイアウトを決める際の3つのポイント、厨房の種類などを解説します。
当サイトは、2010年から数多くの店舗を工事しており、類似サイト以上に多くの知識と実績がありますので、ぜひ参考にしてください。
結論、飲食店のレイアウトは、4つの要素に分解しながら考えるのがスムーズです。中でも、厨房と客席が重要になります。
【基本】飲食店レイアウトの重要性
飲食店において、レイアウトは次のような効果をもたらすため重要です。
- 顧客満足度の向上
- 競合との差別化
レイアウトによって競合との差別化を図り、顧客満足度を高めることでリピーターの獲得、売上の増加が期待できます。
顧客満足度を向上させるレイアウト
飲食店のレイアウトに力を入れれば、顧客満足度の向上につながります。たとえば、お客様が移動しやすいように動線が確保されている、圧迫感を感じさせないといったレイアウトであればのびのびと食事ができるでしょう。
一方、お客様が移動しづらく、圧迫感を感じるレイアウトの場合は、落ち着いて食事ができません。食事に集中できないレイアウトでは、また訪れようと思うお客様が少なくなってしまいます。
競合との差別化を図るレイアウト
レイアウトはお店のコンセプトが現れるポイントです。そのため、自店舗のコンセプトや魅力をレイアウトに落とし込むことで、競合となる他店舗との差別化が図れます。
自店舗の魅力をレイアウトに反映させるためにも、店舗がどのようなコンセプトなのか、どのような強みがあるのかを再度確認してみましょう。
飲食店は4つの要素で構成されている
次に、飲食店は一般的にどのような要素で構成されているのか解説します。
- 厨房
- 客席
- バックヤード
- トイレ
一気にレイアウトを考えるようにすると、どこから手を付けていいか分からなくなってしまいます。4つの要素に分解して、それぞれの特徴やレイアウトのポイントを学んでいきましょう。
厨房
飲食店の成功を支える重要な要素が「厨房」です。厨房は、料理を作るための中枢であり、効率的なオペレーションと安全性を確保するための設計が求められます。
厨房が機能的であるかどうかは、飲食店全体の運営に直結するため、4つの要素の中でも最重要であることを覚えておきましょう。
厨房は、飲食店の心臓ともいえる存在です。
- 効率性
- 安全性
- 衛生面
上記の3つを重視した設計ができれば、店舗全体のパフォーマンスを高められます。
客席
飲食店の「客席」は、お客様が実際に食事を楽しむ空間であり、店舗の印象やリピーター獲得に直結します。
また、客席の設計や配置がよいかどうかは、顧客満足度や回転率、売上にも大きく影響するため、きちんと考えるようにしましょう。
客席は単なる座る場所ではなく、店舗の満足度を左右する場です。
- 快適性
- デザイン性
- 効率性
上記を意識してレイアウトを考えれば、大きな失敗につながることは少なくなります。
バックヤード
バックヤードはお客様からは見えない部分ですが、店舗運営において欠かせない場所でもあります。バックヤードが適切に設計されているかどうかは、店舗全体の効率性やスタッフの働きやすさに大きな影響を与えるためです。
バックヤードは店舗運営の基盤と思ってください。整理整頓がしやすく、スタッフが快適に働ける環境を整えられれば、店舗全体の活気につながるでしょう。
トイレ
飲食店の「トイレ」は、店舗の清潔感や快適性の鏡となる重要なエリアです。誰しもが、近くにトイレがあるのに、わざわざ遠くの清潔なトイレに足を運んだ経験があるのではないでしょうか?
トイレの印象がよいと、店舗全体の評価が高まることも少なくありません。一方で、不快な印象を与えると、せっかくのおいしい料理やサービスの良さが台無しになる可能性もあります。
トイレは、細部までこだわりを持って設計を行うことで、店舗全体の印象が向上すること間違いなしです。
飲食店の厨房レイアウトの基本形
本章では、飲食店の厨房レイアウトの基本形を4つ解説します。
- 直線型
- アイランド型
- L型
- 二列型
飲食店では、厨房の形がレイアウトに大きな影響を与えます。すでに形が決まっている場合でも、知識として身に付けておくのがおすすめです。
それでは、詳しく見ていきましょう。
直線型
直線型の厨房は、調理スペースや洗い場などを一直線に並べるスタイルで、限られたスペースを有効活用したい小規模店舗やカフェなどでよく採用されます。
直線型のメリットは、動線がわかりやすい点です。スタッフが一方向に移動するだけで、仕込みから提供までの作業がスムーズに行えます。
一方で、デメリットは、複数のスタッフが同時に作業すると混雑しやすい点です。
そのため、スタッフの役割分担を明確にして動きが重ならないように工夫する必要があるかもしれません。直線型は、シンプルさと効率を兼ね備えたレイアウトです。
アイランド型
人気の「アイランド型」は、中央に調理台や作業スペースを配置し、周囲に設備を配置するスタイルです。このレイアウトは、広々とした厨房スペースを活かし、効率的な作業と視覚的な美しさを両立させられます。
アイランド型のメリットは、作業動線が自由でスタッフ同士の連携が取りやすい点です。多くのスタッフが同時に作業を行う店舗では、アイランド型の採用がいいかもしれません。
一方で、アイランド型は広いスペースが必要になることが注意点です。また、初期費用が高くなる傾向があるため、十分な予算が確保できる場合に適しています。
L型
「L型」の厨房レイアウトは、設備や調理台を直角に配置し、効率的な動線を確保するスタイルです。このレイアウトは、限られたスペースを最大限に活用したい店舗や、小規模な飲食店に適しています。
さらに、L型は厨房が壁に面している場合が多いため、オープンキッチンの店舗では視覚的な工夫が求められます。たとえば、壁面に飾り棚を設けたり、明るい色合いの素材を使うことで、狭さを軽減可能です。
限られたスペースしかない場合でも、適切な設計と工夫を加えることで、機能的かつ快適な厨房環境を実現できるでしょう。
二列型
「二列型」の厨房レイアウトは、設備や作業スペースを向かい合う形で二列に配置するスタイルです。飲食店の厨房設計では、多くの店舗が採用している基本的なレイアウトになります。
二列型は、調理中の作業を邪魔することなく、洗い物や仕込みを同時に進められます。
ガスコンロやオーブンといった加熱調理設備を片側に集中させ、もう一方にシンクや冷蔵庫を配置するといった役割分担を明確にすれば、お客様への提供スピードも上げられるでしょう。
飲食店の厨房レイアウトの3つのポイント
本章では、厨房に着目してレイアウトのポイントを3つ解説します。
- コンセプトに合う設備とレイアウトを心がける
- スタッフの動線を確保する
- 掃除のしやすさを考える
飲食店のレイアウトを決めるときはお客様だけでなく、スタッフの働きやすさも考慮しましょう。
コンセプトに合う設備とレイアウトを心がける
飲食店の厨房を考える際には、店舗のコンセプトに合った設備とレイアウトを心がけましょう。
具体的には、高級感を重視する店舗であれば、見た目にも洗練されたデザインの厨房設備を選ぶのが一般的です。一方、回転率が重要なファストフード店では、スピーディーな調理と提供ができるよう、動線を最短に設計してください。
さらに、オープンキッチンを採用している場合は、見た目の印象も重要です。お客様に調理風景を楽しんでもらうためには、清潔感を何よりも重視するのがおすすめです。
スタッフの動線を確保する
先述しましたが、厨房のレイアウトは大きく次の4つに分けられます。
厨房の名前 | 特徴 |
直線型 | 少人数で調理するのに適している |
L型 | 小規模の飲食店で調理工程が多い場合に適している |
二列型 | 前後に調理スペースがあるため複数人での調理に適している |
アイランド型 | メインの調理場とは別にお客様に調理の様子を見せるのに適している |
どのようなレイアウトを導入するかは、調理工程やレギュレーション、設置する調理器具などを考慮して決定しましょう。
スタッフの動線を確保する際に見落としがちなのが、冷蔵庫や冷凍庫の配置場所です。十分な動線を確保したと思っていても、冷蔵庫や冷凍庫の配置場所によっては、開閉する際に動線を塞いでしまう可能性があります。
スタッフが動きやすい動線を確保するためにも、冷蔵庫や冷凍庫の設置場所には配慮しましょう。
掃除のしやすさを考える
厨房は日々の営業で多くの油汚れや食材のカスが発生するため、清掃しやすい環境を整えることが必要不可欠です。
掃除のしやすい厨房は、スタッフの負担を軽減するだけでなく、衛生的な環境を保つために重要です。特に飲食店では、衛生状態が直接お客様の評価に影響するため、この点を軽視することはできません。
掃除のしやすさを考慮した厨房設計は、店舗の運営と衛生レベルを両立させるための重要なポイントです。
日常業務を見据えたレイアウトを採用して、スタッフにもお客様にも愛されるお店を目指してください。
飲食店の客席レイアウトのポイント
本章では、飲食店の客席に着目して、レイアウトのポイントを2つ解説します。
- 客席はメインターゲットに合わせて配置する
- 従業員の人数に合わせて席数を考える
それでは、詳しく解説します。
客席はメインターゲットに合わせて配置する
お客様が食事をする客席は、十分な動線を確保するのに加えて、圧迫感がないようなレイアウトを心掛けます。テーブル同士の間隔は少なくとも600mm、通路は1200mmの幅を確保するのが一般的です。
客席のレイアウトを考えるときは、お客様の動線を確保するだけでなく、メインターゲットに合わせることもポイントです。
たとえば、1名や2名で来店するお客様をターゲットにしているのであればカウンターを、ファミリーや団体のお客様をターゲットにするのであればテーブル席や個室を確保しましょう。
従業員の人数に合わせて席数を考える
飲食店の客席レイアウトを設計する際は、従業員の人数も考慮しましょう。席数が多すぎるとスタッフが対応しきれず、サービスの質が低下する可能性があるためです。
アルバイトスタッフのスキルや経験が分かってきたら、席数を少し増やしてみてもいいでしょう。
テーブルや通路の間隔が守れていれば、スタッフがスムーズに移動できない心配が軽減できます。
以上の要素から、適切な席数とレイアウトを選び、サービスの質向上を叶えましょう。
飲食店のバックヤードレイアウトのポイント
飲食店レイアウトはスタッフが着替えたり休憩したりするバックヤードにも気を配る必要があります。バックヤードのレイアウトは、次の3つをどう配置するかを考えましょう。
- スタッフの休憩場所や更衣室
- 金庫や店舗の鍵、書類の保管場所
- 食材や備品の保管場所
勤務するスタッフの人数によりますが、休憩場所にはテーブルや椅子を用意してくつろげるような環境に整備します。
休憩場所はすべてのスタッフが利用できるようにしますが、金庫や店の鍵などの貴重品は、限られたスタッフだけが入室できるような場所に保管しましょう。
また、大量に食材を仕入れた際に備えて、バックヤードに保管場所を用意しておくと便利です。バックヤードの保管場所には食材だけでなく、備品も備えられるようにしておくのがおすすめです。
飲食店のトイレのレイアウトのポイント
飲食店のトイレのレイアウトは、お客様の満足度や店舗の印象に大きく影響を与えます。
トイレの清潔感を保つためには、使いやすい素材や設備を選ぶことが重要です。
- 汚れが目立ちにくい色や耐水性の高い床材
- 自動洗浄機能や手を触れずに操作できる設備を導入
上記を意識すれば、清掃の手間を軽減しつつ、快適な空間を提供できるでしょう。
また、女性のお客様が多い店舗では、アメニティの充実や鏡の配置など、細部にまで配慮するのがいいかもしれません。
飲食店レイアウトを決めるときの注意点
飲食店のレイアウトを決めるときは、次のような点に注意しましょう。
- 収納スペースが足りなくなった
- 設備を搬入できなかった
飲食店レイアウトを決めてしまうと修正するのは難しいため、事前に注意点の反映が必要です。
収納スペースが足りなくなった
飲食店のレイアウトは多くを客席と厨房が占めているため、客席、厨房以外にスペースを取りづらい傾向にあります。そのため、収納スペースをうまく確保することが大切です。
収納スペースが足りなくなってしまうと、備品や食材が通路を埋めてしまいかねません。備品や食材が通路を埋めてしまうと、スタッフが働きづらくなってしまいます。
設備を搬入できなかった
飲食店ではガスコンロや大型のテーブル、冷蔵庫などの設備を使用します。このような大型の設備は、内装工事の段階で導入します。
そのため、入り口を作る前に大型の設備を搬入しないと設備が搬入できない恐れがあります。
設備が搬入できないことがないように、レイアウトを担当する内装工事業者と厨房設備業者としっかりと事前の打ち合わせをした上で、計画的に工事を進めていきましょう。
まとめ|飲食店レイアウトのポイントを押さえて売上の増加につなげよう
飲食店レイアウトによって顧客満足度の向上や競合との差別化を図れるため、店舗の売上増加につながります。飲食店レイアウトを決めるときは客席、厨房だけでなくバックヤードにも意識を向けましょう。
飲食店レイアウトを考える際は、どれくらいの費用が必要なのかも把握しておく必要があります。
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