テナント契約の注意点とは?トラブル事例や失敗しないためのポイント
テナント契約は事業の成功を左右する重要な手続きです。契約形態や特約内容、敷金の取り扱いなど、確認すべきポイントが多く存在します。
そこで、本記事では、これからテナント契約を結ぶ方へ向けて契約時の6つの注意点やよくあるトラブル事例について解説します。
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テナント契約する際の6つの注意点
テナント契約を結ぶ際には、いくつかの重要な注意点があります。契約後のトラブルを防ぐためにも、以下の6つの点をしっかり押さえておきましょう。
- 契約書の形態や期間まで確認する
- 保証金や敷金などの必要な費用を確認する
- 特約の詳細を確認する
- 物件の種類と状態を確認する
- 物件の使用用途を説明する
- 敷金がいくら返却されるかを確認する
それぞれの注意点について詳しく解説します。
契約書の形態や期間まで確認する
テナント契約には「普通建物賃貸借契約」と「定期建物賃貸借契約」の2種類があります。
普通建物賃貸借契約は契約期間満了後も更新が可能ですが、定期建物賃貸借契約は契約期間が決まっており、原則として更新はできません。
そのため、事業の継続性を考慮し、契約期間を必ず確認しましょう。
一般的に契約期間は2年または3年のケースが多く、契約期間が異なると更新頻度や更新費用に大きな影響を与えるため、慎重に検討する必要があります。
普通建物賃貸借契約について
普通建物賃貸借契約は、賃貸契約の中でも一般的な形態であり、特に居住用物件で広く採用されています。
この契約の最大の特徴は、「貸主が正当な理由なく契約の更新を拒否できない」という点です。
つまり、借主が引き続き契約を継続したいと希望すれば、貸主側に特別な事情がない限り、契約の更新が可能となります。
そのため、長期間にわたって事業を安定的に運営したい場合に適した契約形態といえるでしょう。
定期建物賃貸借契約について
定期建物賃貸借契約は、契約期間が満了すると自動的に終了し、更新が行われない契約形態です。
最大の特徴は「契約の更新がない」という点であり、期間満了後に引き続き借りたい場合は、新たに契約を結び直す必要があります。
そのため、再契約の際に賃料の値上げや契約条件の変更が発生する可能性が高いといえるでしょう。
また、定期建物賃貸借契約を締結する際には、貸主が「契約の更新がなく、契約期間の満了時に終了する」ことを事前に書面で説明する義務があります。
保証金や敷金などの必要な費用を確認する
テナント契約を結ぶ際は、住居用の賃貸契約と比べて、より多くの初期費用がかかるのが一般的です。そのため、契約前に必要な費用をしっかりと把握し、資金計画を立てておくことが重要になります。
特に、契約時に求められる費用にはさまざまな項目があり、想定以上のコストが発生することも少なくありません。
テナント契約で必要な費用は次の通りです。
費用項目 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
敷金(保証金) | 退去時の原状回復費や未払い賃料の担保として預ける金額 | 賃料の10〜12か月分 |
礼金 | 契約時に貸主へ支払う謝礼金(返還されない) | 賃料の1〜2か月分 |
前家賃 | 入居時に支払う最初の月の賃料(数か月分前払いの場合も) | 賃料の1か月分 |
共益費 | 建物の維持管理費(清掃・エレベーター・共有設備など) | 賃料の5〜10% |
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料 | 賃料の1か月分 |
各種保険料 | 火災保険・家財保険などの加入費用 | 2万〜5万円 |
契約時には、これらの費用がどの程度かかるのかを事前に確認し、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
特約の詳細を確認する
テナント契約には特約が設定されていることが多く、特に原状回復に関する条項は注意が必要です。
契約書には「スケルトン返却」や「造作譲渡」などの条件が記載されることがあり、退去時に予想以上の費用が発生する可能性があります。
たとえば、原状回復費が想定よりも高額になるケースもあるため、事前に貸主と詳細を確認しておくことが重要です。
物件の種類と状態を確認する
テナント物件には、大きく分けて「スケルトン物件」と「居抜き物件」の2種類があります。
契約後のトラブルを防ぐためにも、事前に物件の状態をしっかり確認し、原状回復の条件を把握しておくことが重要です。
特に、どの範囲まで改装が可能か、退去時にどこまで原状回復が求められるのかを契約前に確認しておくと安心でしょう。
スケルトン物件について
スケルトン物件とは、柱・床・壁・梁など建物を支える基礎的な部分のみが残された状態の物件を指します。
スケルトン物件を契約した場合、退去時には原則として、契約時と同じスケルトンの状態に戻して返却する必要があります。
しかし、貸主や次の借主の同意が得られれば、居抜きの状態で引き渡すことも可能です。
そのため、原状回復の条件については契約前にしっかり確認しておきましょう。
居抜き物件について
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた設備や内装を、そのまま引き継ぐ形態の物件を指します。
居抜き物件の場合、契約時に引き継いだ備品をそのまま返却する義務はありません。
ただし、前のテナントから譲り受けた設備や造作(造作譲渡)については、基本的に撤去して返却するのが一般的です。
そのため、退去時にどこまで撤去が必要なのか、貸主と事前に確認しておきましょう。
物件の使用用途を説明する
テナント契約を結ぶ際には、物件の使用目的を貸主に対して明確に説明することが求められます。
契約時に申告した用途と異なる事業を行うと、契約違反(用途遵守義務違反)とみなされ、貸主から退去を求められたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。
特に、飲食店から物販店への変更や、業態の大幅な転換を検討している場合は注意が必要です。
契約後に業態を変更したいと考えた際には、必ず事前に貸主へ相談し、契約条件を見直しておくことが重要です。
トラブルを防ぐためにも、契約時には将来的な事業展開についても視野に入れ、必要であれば柔軟に対応できる契約条件を交渉しておくと安心でしょう。
敷金がいくら返却されるかを確認する
敷金は退去時に、原状回復費や未払いの賃料を差し引いたうえで返還されるのが一般的です。
しかし、契約内容によっては、敷金の全額が返ってこないケースもあるため注意が必要です。
特に、「敷金償却(敷引き)」の特約がある場合、一部または全額が返還されないことがあります。
そのため、契約を結ぶ前に、敷金の取り扱いについて細かく確認しておくことが重要です。 また、原状回復の範囲や費用負担のルールを事前に明確にしておけば、退去時のトラブルを防ぐことにもつながります。
テナント契約に起こる可能性があるトラブル事例3選
テナント契約においては、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。ここでは、よくあるトラブル事例を3つ紹介します。
- 設備に関するトラブル
- 修繕に関するトラブル
- 保証金に関するトラブル
それぞれのトラブル事例と対策について詳しく解説します。
想定していた設備と違う?設備に関するトラブル
テナント物件には、前の借主が使用していた設備が残されている場合があり、その扱いによって修理費の負担が変わります。
設備の所有者や契約内容によって、修理や交換の費用を誰が負担するのかが異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
たとえば、エアコンが貸主によって設置された設備であれば、修理費用は貸主が負担するのが一般的です。
しかし、前の借主が残していった「残置物」の場合、その管理や修理の責任は新しい借主にあるとみなされることが多く、修理や交換にかかる費用を自己負担しなければなりません。
このような設備の取り扱いを事前に確認せずに契約を結んでしまうと、入居後に予想外の修繕費が発生し、思わぬ出費につながる可能性があります。
そのため、設備の状態や修繕の責任範囲について、契約書に明記されているかをしっかり確認し、不明点があれば貸主に確認することが大切です。
雨漏りの損害はどっちの責任?修繕に関するトラブル
雨漏りが発生し、テナント内の什器や商品が損傷した場合、貸主が修繕を行う義務はありますが、損害補償については契約内容次第となります。
実際に、雨漏りによる損害の補償を貸主に求めたものの、対応が遅れたり拒否されたりするケースもあります。
賃貸借契約には、修繕に関する責任範囲が明記されていることが多いため、契約時にしっかりと確認し、必要に応じて補償内容を交渉しておくことが大切です。
また、保険の加入も視野に入れ、万が一の事態に備えましょう。
退去時の敷金が少なかった?保証金に関するトラブル
テナント契約では、敷金(保証金)の取り扱いに関するトラブルが少なくありません。
退去時には原状回復費用や未払い賃料を差し引いた金額が返還されますが、契約内容によっては「敷金償却(敷引き)」のルールが適用され、一部または全額が返還されないこともあります。
これを防ぐためには、契約前に賃貸借契約書の敷金に関する条項をしっかり確認し、疑問点があれば不動産会社や貸主に尋ねることが大切です。
特に、仲介会社を通じて契約する場合は、重要事項説明の際に十分な説明を受け、納得したうえで契約を結ぶようにしましょう。
テナント契約前に押さえておきたいポイント
テナント契約を結ぶ前に準備しておくべき重要なポイントがあります。ここでは、スムーズな契約と審査通過のために必要な2つの要素について解説します。
- コンセプトを決める
- 財務状況と業務内容を明確にする
これらのポイントをしっかり押さえることで、テナント契約がスムーズに進み、事業の成功につながるでしょう。
コンセプトを決める
テナント契約を結ぶ前に、店舗のコンセプトを明確にすることが重要です。
適切な物件を選ぶためには、以下の要素を考慮しましょう。
- エリア・立地
- アクセス方法
- 店舗の形態
- 競合状況
- テナント賃料
これらの要素は相互に関連しています。
たとえば、駅前の好立地であれば集客しやすい一方で、賃料が高くなる傾向があります。反対に、駅から離れたエリアは賃料を抑えやすいものの、集客には別の工夫が必要になるでしょう。
そのため、事業コンセプトに合った物件を選ぶことで、ビジネスの成功確率を高められます。
物件探しの段階から、将来的な事業の展開や運営コストを考慮し、戦略的な判断を行うことが重要です。
慎重に選定することで、立地のメリットを最大限に活かし、長期的な経営の安定につなげられるでしょう。
財務状況と業務内容を明確にする
テナント契約では、入居審査が行われるため、財務状況や業務内容を明確にしておくことが求められます。
特に次のポイントを押さえておきましょう。
- 安定した財務状況:賃料の支払い能力を示すため、売上や利益の見込みを整理
- 明確な事業内容:事業計画を具体的にし、貸主に納得してもらえる内容にする
- 保証人の確認:保証会社の利用や連帯保証人の手配を検討する
また、審査をスムーズに通過するためには、事業計画書や決算書を用意することが有効です。
新規事業の場合は、創業計画書や資金繰り計画書を詳細に作成し、貸主に安心感を与えることが重要となります。
まとめ|テナント契約で失敗しないポイント
テナント契約を成功させるには、契約の種類や期間、必要な費用、物件の状態、特約の内容などを事前に確認することが重要です。
特に、原状回復の範囲や敷金の返還条件については契約書に明記されているため、しっかりと理解しておきましょう。
また、契約後には店舗の内装工事が必要になることがほとんどです。
施工費用は物件の状態や業態によって大きく変動するため、事前に見積もりを比較し、最適な業者を選ぶことがコストを抑えるポイントとなります。
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