焼肉屋を開業する方法を解説|資金調達の方法や必要な資格・申請
焼肉は年齢や性別を問わずに好まれる料理で、常に一定の市場が存在しており、参入しやすい業種と言えるでしょう。
焼肉屋は市場が大きいため競合も多く、生き残っていくためには開業前にしっかりと戦略を練っておく必要があります。
本記事では、焼肉屋の開業に必要な準備を徹底解説しています。
開業後に問題が起こらないよう、本記事で紹介する開業資金を確保する方法や必要な資格・申請など、すべて確認しておきましょう。
当サイトは、2010年から数多くの店舗を工事しており、類似サイト以上に多くの知識と実績がありますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
焼肉屋の開業資金
焼肉屋の開業資金を説明します。大きく分けると焼肉屋を開業するためにかかる費用には、店舗の契約費、内外装の工事費用、厨房機器や設備代、広告費や人件費などがあります。
焼肉屋の開業資金は高額になりやすい
カフェ・居酒屋・バー・ラーメン屋など飲食店は多数ありますが、その中でも焼肉屋の開業資金は非常に高額です。焼肉屋を開業する前には、必要な資金を準備できるか計算しておきましょう。
開業に向けて多くの資金を投入したものの、途中で資金が枯渇するようなことになれば、貴重な資金を失ったあげく何も残らなくなってしまいます。
焼肉屋の開業費用の内訳
1坪あたり2万円の場所の場合、通常の焼肉屋の広さで40坪とすると家賃だけで80万円、保証金が10ヶ月分とすると800万円かかります。もちろん場所によって坪単価が変わるため、これより安くなる可能性もあるでしょう。
物件に内外装の工事が必要な場合、さらに費用は高額になります。完全に一から内外装の工事を行う場合、坪単価40万円と言われており、40坪の店舗の場合は1,600万円の費用がかかります。
資金の内容 | 目安の金額 |
---|---|
店舗の家賃 | 1坪2万円×40坪=家賃80万円 |
店舗の保証金 | 家賃×10ヶ月分=保証金800万円 |
店舗の工事費 | 坪単価40万円×40坪=1,600万円 |
広告費が約10万円と、毎月の人件費が数十万円かかると考えておきましょう。さらに焼肉屋には、厨房機器や設備の費用もかかり、高額になります。
全ての費用を合わせると、1,500万円から3,000万円は必要になるでしょう。
焼肉屋特有の設備費用
焼肉屋は通常の飲食店とは異なり、お客様が自分で肉を焼くため、そのための設備が高額になります。
各テーブルに設置する無煙ロースターは、1台あたり20万円以上かかります。さらに吸煙システムも各テーブルに必要になるため、多数のダクト工事を行わなければならず、1箇所あたり約10万円の費用が必要です。
さらに各テーブルには、ロースターを置ける専用のテーブルを使用しなければなりません。
各テーブルごとの工事に加えて、焼肉屋全体の給排気工事や排煙工事などの臭い対策も必要です。こうした工事費用にも200万円から300万円はかかるため、内装、設備などを全て一から作ると相当な費用になります。
内容 | 費用の目安 |
---|---|
各テーブルの無煙ロースター | 1台あたり20万円以上 |
各テーブルのダクト工事 | 1台あたり10万円ほど |
全体の給排気工事や排煙工事 | 200万円から300万円 |
さらに厨房には、業務用の冷凍冷蔵庫、フライヤー、ガステーブル、調理台、シンク、業務用の食洗機、ゆで麺機などの機器が最低限必要です。
多くの設備が必要になるため、以前飲食店だった居抜き物件を探して費用を抑えることをおすすめします。
開業資金や運転資金を調達する方法
飲食店を個人で開業する方の多くは、日本政策金融公庫から融資を受けています。個人ではじめて事業を興す時には、銀行はほとんど相手にしてくれないため、日本政策金融公庫の融資を検討しましょう。
ただし自己資金0円で融資を依頼しても、基本的に審査に通りません。ある程度は自己資金を用意しておきましょう。
焼肉屋を開業する場合、少なくとも1,500万円は開業資金が必要になります。
日本政策金融公庫からの融資は「自己資金400万円の場合、1,000万円」「自己資金500万円の場合、1,500万円」を受けた例があります。
こうした例から、日本政策金融公庫から借りられる金額は、自己資金の2倍から3倍と考えられるでしょう。
調達の方法 | 事例1 | 事例2 |
---|---|---|
自己資金 | 400万円 | 500万円 |
日本政策金融公庫 | 1,000万円 | 1,500万円 |
開業資金の合計 | 1,400万円 | 2,000万円 |
役所から融資を受けることも可能で、創業支援資金融資という制度が利用できます。基本的に創業支援資金融資で借りられる金額は必要資金の3分の2以内、返済期間は数年です。
ただし各自治体で異なる場合もあるため、創業支援資金融資を検討する場合役所に相談しておきましょう。また、創業支援資金融資の審査には3ヶ月ほど時間がかかるため、早めに動くようにしましょう。
焼肉屋のコンセプトを決めるコツ
ここでは、焼肉屋のコンセプトを決めるコツを下記の5つの手順に沿って紹介します。
- 周辺にある焼肉屋を調査する
- 内外装の雰囲気を決める
- メニューを決める
- 平日・休日のお客さんの流れをチェックする
- 競合店の衛生環境や内装の状態を確認する
それぞれ詳しくみていきましょう。
周辺にある焼肉屋を調査する
飲食店のコンセプトを決める際には、周辺にある競合の焼肉屋の調査は絶対に欠かせません。
周辺にある焼肉屋の中で繁盛しているお店があれば、その店舗で実際に焼肉を食べてみて、繁盛の理由を探る必要があります。
周辺住民からどのような焼肉店が選ばれているのか確認しましょう。ただし、まったく同じコンセプトのお店を出しても、お客さんを奪い合うことになります。
他店の情報を参考にして、独自のコンセプトを打ち出し、差別化を図りましょう。
内外装の雰囲気を決める
お店のコンセプトに沿って、焼肉屋の内外装の雰囲気を決めましょう。お客様を迎える玄関から店内に入った後に見える店内の様子、スタッフによる接客はどうなっているかなどを意識してデザインを決めます。
内外装は統一感を持たせると、おしゃれにまとまります。自分の中でこだわりを持って、どのような設備やインテリアを取り入れるか考えてください。
メニューを決める
焼肉店の印象はメニューで左右されるため、提供内容は慎重に検討する必要があります。
競合の多い焼肉業界で生き残っていくため、メニューを固めて焼肉屋のイメージを検討しましょう。独自メニューの開発はとくに重要であるため、他の店舗と被らないおいしいメニューを考えましょう。
お店独自の熟成方法・独自ルートのA5ランクの国産牛・特製ダレ・厚切り肉など、オリジナリティの高いメニューを検討しましょう。
ビビンバ、キムチ、冷麺、野菜などのサイドメニューにも、こだわる必要があります。メニューで妥協するようでは、焼肉屋を経営して成功することはできません。
焼肉業界は大手チェーン店の安い焼肉屋と、美味しい焼肉を食べられる地元の店の二極化の傾向が強くなっています。チェーン店に対抗するためには、少し高くても肉の質にこだわる仕入れが必要で、良い肉の見分け方なども重要になります。
「食肉センターへ通って施設を見学させてもらう」「牧場の見学に行く」「食肉について学習する」など、良い肉を仕入れるルートを見つけるための行動をしましょう。
平日・休日のお客さんの流れをチェックする
平日や休日のお客様の流れは、繁盛店を目指すうえで重要であるため、しっかりと調査しておきましょう。
平日であれば、どの時間帯、どの曜日にお客様が集まっているのかを確認してください。週末にも客の入り具合などをチェックしましょう。
開業前に、お店の周辺には何度も通う必要があります。
競合店の衛生環境や内装の状態を確認する
競合店を調査する際には、店内の衛生環境や内装の状態も確認しておきましょう。成功しているお店の衛生状況は、大変参考になります。
焼肉屋はあちこちで油がはねるため、内装を清潔に保つことが困難です。しかし、衛生的でないお店はいずれ潰れることになるため、衛生面には注意しましょう。
焼肉屋の開業に必要な資格や申請
焼肉屋の開業で必要となる可能性のある資格や申請を下記にまとめています。
資格・申請 | 内容 |
---|---|
食品衛生責任者 | 1日の講習を受けて取得、費用は約10,000円 |
営業許可 | 保健所に相談後、流れに沿って申請 |
深夜酒類提供飲食店開始届 | 警察署に提出(営業が深夜0時を超える場合) |
防火管理者 | 1日の講習を受けて取得(収容人数が30人以上の場合) |
個人事業の開廃業等届出 | 税務署に個人事業の開廃業等届出を提出 |
ここから、焼肉屋の開業に必要な資格や申請の詳細を解説します。
食品衛生責任者
飲食店を開業するうえで、食品衛生責任者の資格を取得しているスタッフが在籍している必要があります。
食品衛生責任者の資格は1日で取得が可能であり、費用も10,000円ほどしかかかりません。
基本的に食品衛生責任者の資格を持っている人がお店に1人いれば大丈夫ですが、取得は簡単なのでオーナー自身で取得しておきましょう。
講習日時については食品衛生協会のホームページで調べられます。
営業許可証
保健所への営業許可の申請は必須です。
最初に店舗の完成図面を持って保健所に行き、基準に適合しているかを確認してもらってください。
保健所で問題なしと判断されたら、営業許可の申請書を提出し、およそ2週間後に保健所の担当者が検査に入ります。
この検査で問題がなければ、正式に営業許可証が発行されます。
深夜酒類提供飲食店開始届
深夜酒類提供飲食店開始届は、営業時間が深夜0時を超える場合に提出が必要になります。
深夜酒類提供飲食店開始届は、基本的にお酒をメインで扱うお店でのみ提出が必要です。
焼肉屋はバーや居酒屋とは違い、お酒をメインで提供するわけではありませんが、行政の判断としては焼肉がお酒のつまみにあたります。営業が深夜0時を超える場合は、警察署に届出を提出しておきましょう。
防火管理者
店舗の収容人数が30人以上の場合、防火管理者の資格が必要になるため、講習場所などの情報を役所にたずねましょう。
焼肉屋は広いスペースで営業することが多いため、基本的に店舗の収容人数は30人以上になるでしょう。
防火管理者の講習は1日で終わりますし、取得が難しい資格ではありません。食品衛生責任者と一緒に取得して、防火管理者選出届を消防署に提出しておきましょう。
個人事業の開廃業等届出
焼肉屋を個人で開業する場合は、税務署に個人事業の開廃業等届出を提出しなければなりません。
地域によっては他にも必要な書類があるかもしれないため、税務署・社会保険事務所・労働基準監督署・ハローワークに行き、申請についてたずねてみましょう。
事業計画書に記載する情報とは?
新しく事業を始める時には事業計画書を作成します。事業計画書には開業目的・開業資金・運転資金・売上予測・収益予測などの情報が必要です。
開業後のシミュレーションを行い、出来る限り現実的な数字を出せると成功しやすくなります。
売上予測を出すには、営業時間・客数・客単価・座席数・回転数を想定しなければなりません。たとえば、以下のような形です。
項目/時間帯 | 平日昼 | 平日夜 | 休日昼 | 休日夜 |
---|---|---|---|---|
営業時間 | 11時から14時 | 17時から24時 | 11時から14時 | 17時から24時 |
客数 | 50人 | 65人 | 60人 | 80人 |
客単価 | 1,000円 | 3,600円 | 1,200円 | 4,000円 |
座席数 | 30席 | 30席 | 30席 | 30席 |
小計 | 50,000円 | 234,000円 | 72,000円 | 320,000円 |
このように数字を算出すると自動的に、平日1日の売上、休日1日の売上が出せるようになり、日商と年商の予測がわかります。
また、焼肉屋の開業資金は高額になるケースが多いので、コストを削減できるところはしっかりと節約しておきましょう。
焼肉屋のコスト削減では、食材の仕入れ費用を削減するのではなく、内装や設備で削減するのがおすすめです。物件を探す際は、以前に飲食店が入っていた居抜き物件を探せば、内装工事の費用を節約できます。
設備に関しても、中古の厨房機器などを購入すれば費用の削減が可能です。
開業前に考えておくこと
ここでは開業前に考えておくべきこととして、以下の3点を説明します。
- 求人の出し方
- マニュアルをつくる
- 宣伝方法
それぞれ詳しくみていきましょう。
求人の出し方
お店が完成する前から、前もってスタッフの募集を行っておかなければなりません。少なくとも、オープンの1ヶ月以上前から、アルバイトの求人を出しておきましょう。
同時に焼肉屋のホームページも作成し、オープン前から求人情報を掲載しておきます。ギリギリになってから募集を行うと、オープンに間に合わないだけでなく、スタッフの教育も行えません。
可能であればスタッフのうち1~2名は、飲食店で働いた経験がある方を採用すると、開業後の営業がスムーズになります。
マニュアルをつくる
業務に関するマニュアルを作り、飲食店経験者をバイトリーダーにしてスタッフの教育を行いましょう。
最低限マニュアルに従ってお客様を迎えられるレベルにしておかないと、トラブルにつながるおそれがあります。また、マニュアルがしっかりしていないと、オーナーへの質問が多くなり、余計な時間を取られるようになるでしょう。
さらに焼肉屋は生肉を扱い、火を扱うことになるため、調理や衛生面のマニュアルをしっかりと定めておかなければなりません。
宣伝方法
オープン時の宣伝方法としては、B2サイズで店頭ポスターを準備し、オープン前から店舗の窓や壁などの目立つ場所に貼っておきます。オープン後は、駅前などにもポスターを貼らせてもらえるように交渉しましょう。
可能であれば、店舗が入っているビルや建物に垂れ幕を設置させてもらうのも良い方法です。その他には「店舗の名刺を人通りの多い場所で配る」「広告と割引券をセットにして配る」「スタンプカードを作る」などの工夫をしましょう。
周辺地域の状況によっては、ポスティングも、近隣住民への宣伝として効果的です。
焼肉屋の開業時によくある質問
ここでは、焼肉屋の開業時によくある以下の2つの質問にお答えします。
- フランチャイズで焼肉屋を開業するには?
- 儲けるにはどこにコストをかけた方がいいの?
それぞれ詳しくみていきましょう。
フランチャイズで焼肉屋を開業するには?
フランチャイズで焼肉屋を開業するために、まずは加盟する本部を選びましょう。契約条件やサポート内容を確認して、開業しやすいと思える焼肉屋を選んで連絡してください。
契約する焼肉屋が決まったら、本部と相談しながら立地選定を行い、ターゲット層や集客力を考慮して物件を決定します。
その後、内装工事や設備導入、スタッフ採用・研修を本部のマニュアルに沿って進め、オープン準備を整えます。
フランチャイズの利点は、ブランド力・宣伝効果・仕入れルート・運営ノウハウを活用できる点です。未経験でもスムーズに開業できる一方、加盟金やロイヤリティ、運営ルールの遵守が必要なため、事前の資金計画や契約内容の確認をしっかり行っておきましょう。
儲けるにはどこにコストをかけた方がいいの?
焼肉店で儲けるためには、肉の品質に最もコストをかけるのがおすすめです。質の高い肉は客単価を上げるだけでなく、口コミやリピーター獲得にも直結します。
鮮度や部位の選定、仕入れルートの確保にこだわると、価格競争に巻き込まれにくくなります。
また、良質な肉を最大限に引き立てるカット技術や提供方法も重要です。内装や広告は必要最低限に抑え、顧客が「また食べたい」と感じる味作りに投資することが、長期的な利益確保につながるでしょう。
肉の質にこだわるために、それ以外の部分でコストを抑える必要があります。開業資金のなかでもとくに費用がかかる内装費用を抑えるためにも、相見積もりを取るとよいでしょう。
相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取ることで、工事費用を比較できます。極端に高額な工事費用のかかる業者への依頼を避けられます。自分で複数の業者を選定して工事内容を伝え、見積もりを取っていると多くの時間がかかるでしょう。
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まとめ|しっかりと準備をして繁盛する焼肉屋を目指そう
焼肉屋は開業資金が多く必要になるだけでなく、競合店も多いため、独自性の高いメニューが必要になります。競合店の調査を行い、差別化したオリジナリティの高いメニューを開発しましょう。
焼肉屋は生肉を扱うため、衛生面の正しい指導や火気類の扱い方について、マニュアルに基づいた教育を徹底する必要があります。開業の1か月以上前に募集をかけ、早い段階で人材を確保し、マニュアルに基づいて育成しておきましょう。
「店舗内装工事見積り比較.com」では、無料で相見積もりの依頼が可能です。相見積もりをとると、複数の業者の工事費用が比較できます。
焼肉屋では肉のクオリティが重要です。内装コストを抑えて開業資金を確保し、原材料の仕入れに回しましょう。焼肉屋の内装工事費用を抑えたい方は、ぜひ以下のリンクから相見積もりをご活用ください。
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