ラーメン屋の開業の3つの準備|必要な資金の目安や資格・手続き
自分のお店を持ちたいと思う人がたくさんいるのが、ラーメン屋という職種かもしれません。しかし、単にラーメンが作れるだけでは、ラーメン屋を開店するのは難しいでしょう。
ラーメン屋を開業して営業を軌道に乗せるには、あらかじめさまざまな準備をしておく必要があります。
資金の準備・資格取得・開業の手続きなど、必要な準備を漏れなく済ませて、問題なく営業を始めましょう。本記事では、ラーメン屋の開業準備をすべて説明します。
当サイトは、2010年から数多くの店舗を工事しており、類似サイト以上に多くの知識と実績がありますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
ラーメン屋を開業する際の3つの準備
ラーメン屋の開業に必要な準備として、以下の3点を説明します。
- 家族の同意を得る
- ターゲットにする客層を決める
- ラーメン屋のイメージを確立させる
それぞれ詳しくみていきましょう。
家族の同意を得る
ラーメン屋を開業すると決めてから最初にやるべきことは、家族や周りの人に相談して同意を得ることです。
家族や周りの人の同意があれば、協力してもらえ、ラーメン屋の開業を応援してもらえます。ラーメン屋の開業準備を進める中で、周りの協力があるのとないのとでは大きな差があります。
ターゲットにする客層を決める
ターゲットにする客層を決めるにはお店を出そうと思っている土地に、どんなタイプの人たちが多いのかを調査する必要があります。
たとえば、メニューを決める際、若者向けのメニューにしても周りに年配の方が多ければ効果が出ません。もし年配の方が多い地域なら、昔ながらのラーメンの方が合っているでしょう。
ラーメン屋のイメージを確立させる
ターゲットが決まれば、合わせて営業時間も考えましょう。夜遅くに仕事から帰ってくる人が多いのか、それとも昼間に人通りが多い所なのかなどを判断します。
また、食券で販売するのか、店員が注文を取るのかでも、ラーメン屋のイメージは変わってきます。他にも「お店の大きさ」や、「カウンターだけなのかテーブルもあるのか」なども、狙いとしている客層に合わせていくとよいでしょう。
メニューに関しては、中華料理店のようにたくさんのラーメンのメニューを準備する必要はありません。トッピングを準備しておくと、メニューが寂しいお店というイメージはなくなります。
ラーメン屋の開業に必要な資金の内訳
一般的に、飲食店を開業する時には、500万円から1,200万円ほどの資金が必要になります。店舗を借りて内外装を工事して、運転資金を用意すると、これくらいの金額が必要です。
資金の内訳 | 目安の金額 |
---|---|
店舗の家賃 | 1坪2万円×15坪=家賃30万円 |
店舗の保証金 | 家賃×10ヶ月分=保証金300万円 |
店舗の工事費 | 坪単価30万円×15坪=450万円 |
上記の金額の内訳から、工事費にとくに多くの費用が必要だとわかるでしょう。ここから内装工事費用の詳細をお伝えします。
内装工事費用の目安
何もないスケルトンの状態から物件を借りたとすると、相場としては内装工事に350万円ほど、さらに調理器具に200万円ほどの金額が必要になります。
10坪スケルトンの場合 | 目安となる金額 |
---|---|
内装工事 | 350万円 |
調理機器 | 200万円 |
内装・機器の合計 | 550万円 |
ラーメン屋にふさわしい内装工事を行い、厨房機器や備品を揃えて初めて、お客様にラーメンを提供することができます。必要な厨房機器や備品を漏れなく揃えて、開業に備えましょう。
ラーメン屋は飲食業の中で開業資金が少なくて済む
ラーメン屋は、比較的少ない資金で開業できます。
しかし全く自己資金がない状態では、ラーメン屋を開業しても経営を続けていくことができないため、資金の調達方法を考える必要があるでしょう。
また、最初の資金がどれくらい必要かは、店舗の立地条件や内装デザインをどうするかによって大きく変わります。たとえば、都内の立地条件がいい所と郊外とでは家賃が大きく違いますし、必要な資金の額にも差が出ます。
公庫や銀行から融資を受ける方法
公庫や銀行から融資を受けるとしても、ある程度の自己資金は必要です。自分でいくぶんかの資金を貯めておき、足りない分を融資で賄う方が審査にも通りやすくなるのです。
開業資金 | 金額 |
---|---|
自己資金 | 最低300万円 |
公庫や銀行融資 | 残り900万円 |
目標の開業資金 | 合計1,200万円 |
300万円ほど準備しておき、残りの900万円を融資で調達するのが目安となります。この場合でも、300万円は万が一の時に残しておき、それ以外の資金で回すことを考えていきましょう。
ラーメン屋の開業に必要な資格や手続き
ここでは、ラーメン屋の開業に必要な資格や手続きを解説します。
調理した食べ物を提供するので、ラーメン屋を始めるために調理師免許が必要だと考えている人も多いでしょう。しかし、ラーメン屋を開業するにあたって、調理師免許は絶対に必要というわけではありません。
では、ラーメン屋の開業に必要な資格や手続きをみていきましょう。
必要な資格・手続き①|食品衛生責任者
ラーメン屋を開業するには食品衛生責任者の資格が必要であり、取得していないと開業できません。食品衛生責任者の取得は難しくなく、6時間程度の講習を受講すれば修了証をもらえます。
ただし、上記の要件は調理師や栄養士の免許を持っている場合には不要です。持っていない場合には、食品衛生責任者の講習を受講しておきましょう。
食品衛生責任者さえいれば開業できるため、ラーメン屋を開業するにあたって、調理師免許は絶対に必要なわけではないのです。
必要な資格・手続き②|飲食店営業許可申請
保健所に出す飲食店営業許可申請の手続きも開業前に行っておきましょう。食品衛生法で決められているもので、これが無くては飲食店の営業はできません。
飲食店営業許可証の詳細は、以下の2記事を参考にしてください。
届出を提出する場所の一覧
税務署に開業届を出して、店舗として開業していることを知らせることも忘れてはなりません。税務署に開業届を出しておくことで、確定申告の時に有利に税金の申請ができます。
このような届出を提出する場所の一覧を以下にまとめています。
届出場所 | 届出内容 |
---|---|
保健所 | 食品営業許可申請 |
消防署 | 防火管理者選任届、火を使用する設備等の設置届 |
警察署 | 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書 |
税務署 | 個人事業の開廃業等届出書 |
労働基準監督署 | (従業員を雇った場合)労災保険の加入手続き |
職安 | (従業員を雇った場合)雇用保険の加入手続き |
社会保険事務所 | 社会保険の加入手続き |
都道府県庁 | 食品衛生責任者の設置申請 (喫煙可能な店舗にする場合)喫煙可能室設置施設届出書 |
法人化の手続きは必要?
法人の設立には多くの手間がかかります。しかし、法人化しておくと資金調達がしやすくなり、節税につながるといったメリットがあります。
一方、個人事業主として開業する場合は、法人設立に関する手間とお金がかからない点がメリットです。
繁盛しているラーメン屋は、最初から法人を設立して経営しているお店が多い傾向にあります。資金調達や節税のメリットが大きいため、取得しているのでしょう。
個人事業主の場合は最初の資金繰りがポイントになります。ビジネスとして生き残っていくためには、収益構成をしっかりと考えていく必要があるでしょう。
物件の立地を選ぶには?
ラーメン屋は日本にたくさんあるので、どこにでもあるという印象を持つかもしれませんが、実は立地に関しては計算されていることが多いのです。
ここからラーメン屋の立地を考える方法を解説します。
お客さんの想定を考える
車で来るお客様のことを想定してお店を出すのであれば、大きな道路沿いに出店することがポイントです。車で来るお客様が、遠くからでもお店の存在を確認できるようにするとよいでしょう。
また、お店の入り口が見えていると立ち寄りたくなってしまうものです。建物の向きや建ち方がどうなっているかも、集客を考える時には重要なポイントになります。
徒歩で来るお客様を想定してお店を出す場合には、ビジネス街が狙い目です。ランチの時間帯に来てもらったり、仕事帰りにふらっと立ち寄れるお店になれば、多くのお客様に来てもらうことができます。
居酒屋の近くにラーメン屋を開業して、最後の締めとしての需要を狙いにするのもよいでしょう。
居抜き物件がおすすめ
立地が決まれば店舗の準備になりますが、その地域に居抜き物件があるかどうか確認することをおすすめします。居抜き物件を借りることができれば、最後は居抜きで返せる点がポイントです。
お店を辞める時にはお金がないものですが、その時に元通りのスケルトンに戻すという契約をしていると、解体費用や原状回復の費用がかかってしまいます。
最初に物件を探している時は、お店がつぶれることを想定して始める人は少ないでしょう。しかし、どうしてもお店を辞める必要が出てくる場合もあります。
居抜き物件で出店すれば、解体費用や原状回復の費用もかからず、退店する時の痛手も少なくて済むでしょう。
しかし居抜き物件で出店する場合、立地を選ぶことが難しいというデメリットがあります。 居抜き物件とスケルトン物件の特徴については、以下の記事を参考にしてください。
厨房機器を選ぶポイント
厨房機器は中古品を購入すると、内装工事費用を抑えられます。
多くの飲食店が開業する中で、毎年多くの飲食店が廃業しています。中古の厨房機器の販売店は、廃業した飲食店から厨房機器を安く買い取り、修理やメンテナンスをしてから中古品として販売しています。
一度使われた厨房機器は嫌だと感じるかもしれませんが、驚くほど安く見つかることもあるので、一度リサーチがてらに中古の厨房機器を探してみましょう。
ラーメンは麺が重要なポイントになりますが、製麺所から麺を購入する場合は、原価は1玉50円ほどです。約100万円の製麺機を導入すると、原価を1玉20円ほどに下げられます。
しかし製麺機を置くスペースも必要で、初期投資も増えてしまうので、どちらがいいのかお店の状況を踏まえて検討しましょう。
ただし製麺所で自分のこだわりを取り入れた麺を特注しても、通常の麺の原価とさほど変わらない場合もあります。そういった細かい情報も知識として覚えておくと、実際の開業の準備の際に有利になるでしょう。
ラーメン屋の開業前に考えておくべきこと
ラーメン屋の開業前に考えておくこととして、以下の2点について解説します。
- スタッフを募集するタイミング
- ラーメン屋の存在を周辺住民に周知する方法
それぞれ詳しくみていきましょう。
スタッフを募集するタイミング
ラーメン屋をオープンする際は、従業員としてアルバイトやパートを雇うのかどうかを考えておかなければなりません。家族がいれば一緒に調理や接客をすることもできます。
オープン時はお客様が多い可能性が高く、全てを1人で行うのは大変な場合もあるでしょう。しかし従業員やアルバイトを雇うと、お客様が1人もいない時でも人件費がかかります。
1人や夫婦だけで営業していくのであれば、そのような心配をしなくても良くなります。オープンして数か月は自分や家族だけで乗り切って、忙しい時間帯を把握してから、アルバイトやパートを募集してもよいでしょう。
また、低価格で従業員を募集するなら「店舗にチラシを貼る」「低価格のチラシに募集を掲載する」こともできます。忙しい時間帯だけの人員を募集すると、人件費を抑えながら仕事の効率を上げることができるでしょう。
ラーメン屋の存在を周辺住民に周知する方法
ラーメン屋をオープンしてすぐの時は、周りに知らせることが大切です。
お店のホームページは、周辺住民への周知に効果的です。お店に入店する前には、検索する人も多いでしょう。
自分で作れるなら自作のホームページを作るのもよいですが、作成代行に依頼すると集客効果の高いサイト設計が可能です。
その他の宣伝方法として、自作で白黒のチラシを作って、仕事の合間にポストに投函するのも有効です。
少しずつ周りの人にお店の存在を知ってもらえれば、集客力は高まっていくでしょう。
一度来ていただいたお客様に感謝を込めて、愛想よく接客すれば、そのお客様にまた来たいと思ってもらえます。ラーメンの味がいいのは大前提ですが、商売とはそのような地道な努力の積み重ねなのです。
ラーメン屋の開業でよくある質問
ここでは、ラーメン屋を開業する際によくある以下の2つの質問に答えます。
- 開店資金を回収するには何杯売ればいい?
- 他のラーメン屋で修行しておいた方がいい?
それぞれ詳しくみていきましょう。
開店資金を回収するには何杯売ればいい?
ラーメン屋の開業では、500万から1,200万円ほどの金額が必要です。ラーメン1杯あたりの原価の目安は、以下の通りです。
- しょうゆラーメン1杯の原価:約190円
- とんこつラーメン1杯の原価:約225円
- みそラーメン1杯の原価:約270円
1杯800円でラーメンを販売するなら、約500円から600円の利益となります。つまり、開業資金を回収するにはラーメンを1万杯から2万4千杯を販売する必要があるでしょう。
上記の計算方法で、実際の自分のお店の開業資金や販売するラーメンに置き換えて、開業資金を回収するのに必要な数を計算しておくのをおすすめします。
開業した後、開業資金の元を取るのを当面の目標に営業をすれば、やる気につながるでしょう。
他のラーメン屋で修行しておいた方がいい?
他のラーメン屋での修行はしておいた方がよいでしょう。おいしいラーメンを作る方法だけでなく、営業方法や仕入れ先など経営のノウハウも学べます。
修行をしておいた方が事業に失敗するリスクを減らせます。修行するお店は繁盛しているお店を選ぶのがおすすめです。経営に成功しているお店の方が学ぶことは多くあります。
まとめ|ラーメン屋の開業準備をしっかりとしておこう
ラーメン屋を開業するにあたって内外装工事にはある程度時間がかかるため、時間に余裕を持って準備を進めましょう。安定して経営を続けていくためには、ターゲットや立地条件などについて、開業前にしっかりと考えておく必要があります。
多くのラーメン屋がありますが、繁盛しているお店は、集客方法や仕入れ先など経営方法についても良く考えられています。
開業準備として、繁盛しているお店で経営ノウハウを学ぶのもよいでしょう。しっかりと準備して、繁盛するラーメン屋を目指してください。
開業資金のなかでも内装工事費用には、多くの金額が必要です。費用を抑えるには、複数業者から見積もりをとって、金額を比較するとよいでしょう。
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