・50坪の区画面積に対し、テーブル席・ソファー席・厨房と3つの空間に分け、それぞれの内装仕上を変えたり高低差を設けたりして、単一的なのっぺりとした空間構成にならないよう計画しました。

・テーブル席の床・天井は、オーク無垢材を使用。ソファー席の床はヨーロッパ調柄磁器質タイル貼り、天井はスケルトン躯体剥き出しのうえ黒吹付け塗装。

・円形ソファーはブラックレザーの布団張り、異なる径・高さで3台製作し、それに合せた同一径のペンダントライトを、日本で選定した生地を持ち込み台湾で製作いただきました。

・ヨーロッパの街並を上品に飾るような斑岩の壁には植栽を、ホワイトレンガタイルの壁には、イタリアの建造物や風景を撮影した写真を配し、全体的なバランスを考慮した装飾も施しました。

・ファサードはモノトーンで統一。厨房とはガラス入り建具で仕切り、ピザ釜を前面に配置、通路を往来するお客様がどこからでもピザを作る様子が伺える厨房レイアウトにしました。

・レジカウンター横にはテイクアウトコーナーを設け、同一フロア内にある映画館やゲームセンターに向かうお客様にも焼き立てのピザを提供出来るような計画としております。

・商業施設内のフードコートに隣接する立地から、テイクアウトによる需要の多さを想定し、腰壁内に設けたディスプレイショーケースを通してお客様が食材やメニューを選びながら会計へと運ぶ動線を最優先したプランとしました。

・一号店の出店の際から多店舗展開を視野に入れておいたため、カウンター席とキッチンを隔てる垂れ壁には博多織の装飾を継承。

・桃園の商業施設内という立地上、統一阪急百貨台北店より高級感を抑え、キッチンをよりオープンにして幅広い客層が利用しやすいような空間計画としました。

・揚げ場を店内中央に配置し、職人をぐるりとカウンターで囲むプランにしました。

・店を彩る仕上素材は福岡産のものを使いたいという想いから、カウンターの外径そのまま上部に約7ｍ四方の天蓋を設け、それを特別に紫と銀の糸で「博多献上柄」に紡いだ「博多織」で覆いました。

・漆黒の中に浮かび上がる博多織と、その中心で食材と対峙し最高の天ぷらをお客様に献上する和食職人を演出するライティングを仕掛け、高級感と空間の広がりをもたせるために、壁面は鏡面の黒大理石を貼り、紫の博多織で囲われた空間が幾重にも反射するような演出を施しました。

・札幌の時計台をモチーフにした塔や、枯山水庭園を模した壁面装飾など、店内の随所に「日本らしさ」をちりばめる空間計画としました。