カフェ開業の準備を徹底解説!はじめての開業で必要な手続きや資金は?
「退職後に夫婦でカフェを経営してみたい」「自分が好きなカフェを開業してみたい」などの夢を持つ方もいるかと思います。
カフェでゆっくりとできる時間はとても魅力的で、そうした時間を提供できるお店に憧れる人も多いでしょう。お客さんが優雅に過ごす一方で、カフェを経営する側の仕事はかなりハードなうえ、経営は簡単なものではありません。
本記事では、カフェを開業するために、必要な準備や開業費用を抑える方法を説明します。当サイトは、2010年から数多くの店舗を工事しており、類似サイト以上に多くの知識と実績がありますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
どのようなカフェを開業したいのか?
どのようなカフェを開業したいのか、以下の手順で決めていきましょう。
- カフェのコンセプトをはっきりさせる
- どのような客層を対象にするのかを決める
- 基本的なメニューを決める
- 店ならではのメニューを決める
それぞれの手順を詳しく解説します。
カフェのコンセプトをはっきりさせる
独立してカフェの経営を成功させるには、最初にコンセプトをはっきりさせなければなりません。お店の方向性や経営方針などは、常にコンセプトを頭において決めましょう。
客層やメニューなどの具体的な内容も、コンセプトに沿って考えていってください。コンセプトから外れたものがあると、お客さんにとって居心地の悪い空間になってしまう恐れがあります。
どのような客層を対象にするのかを決める
カフェは料理も提供できるため、ターゲットとする客層を決める必要があります。たとえば、以下のような客層を対象にした店舗をつくりましょう。
- 昼間に時間のある主婦をターゲットにする
- 子供連れの主婦をターゲットにする
- 若い人を呼び込む
主婦がターゲットであれば「紅茶の種類を豊富に揃える」子供連れであれば「ケーキなどを充実させる」必要があります。若い人がターゲットであれば「コーヒーの種類を充実させる」「食事のメニューを増やす」などの施策が必要でしょう。
どのような客層をターゲットにするかによって、準備するメニューが変わってきます。
基本的なメニューを決める
カフェには競合店が近隣にあることが多いため、他のカフェとは違うメニューを作らないと、長く経営を続けていくことは難しいでしょう。
日本には、カフェの競合になりうる大手のカフェやケーキ屋が、多くあります。
お客様に、あのカフェに行けばあのメニューを食べられると思ってもらえるメニューを作れると常連客が増えていきます。
店ならではのメニューを決める
メニューがカフェのコンセプトに合わないものであれば、お店の雰囲気を壊してしまう可能性があります。カフェのコンセプトに沿ったメニューが必要です。
カフェの「雰囲気」「外装・内装」「客層」「メニュー」などは、すべて最初に決めたコンセプトに沿って統一感を持たせましょう。
カフェ開業が甘いと思われるのはなぜ?
「カフェ経営は楽そう」など、軽い気持ちで開業したいと考えていると、甘いと言われてしまいます。カフェは、お客さんがゆったりと過ごしていてくつろげる空間であるイメージが強いかと思います。しかし、店員にはゆったりできる時間が少なく、かなりハードな業務です。
飲食店である以上、接客や清掃など必要な業務が多く、くつろげる時間はありません。経営の面も、しっかりと準備しておかなければ、黒字化するのは困難です。カフェ経営は、コンセプトやターゲットを検討しておかないと成功は難しいでしょう。
ターゲットとなる顧客を多く得られるように、ホームページやSNSでの集客を行う必要があります。
カフェの開業に必要な資格
カフェを開業する際には、食品衛生責任者の資格が必要です。
食品衛生責任者は、保健所や都道府県にある食品衛生協会に講習日を聞いて、指定された場所で講習を1日受ければ受講証明書を取得できます。
講習で学ぶ科目は、以下の3つです。
- 公衆衛生学
- 食品衛生学
- 衛生法規
地域によっては、受講後に簡単なテストがあります。また、カフェを開業する際には、防火責任者という資格も必要です。
多数の人が集まる場所で火災が起きると、被害が甚大になる可能性が高いため、防火責任者が防火管理業務を行なわなければなりません。
防火管理者の資格には「乙種防火責任者」と「甲種防火責任者」の2種類があります。
「乙種防火責任者」は、管理できる条件が、延べ面積300㎡以下、収容人数30人未満のテナントに限られます。
一方、「甲種防火責任者」は収容人数の制限がなく、防火管理業務を行うことが許されています。カフェ経営では、基本的に乙種防火管理者の資格があれば十分でしょう。
カフェの開業に必要な申請
カフェの開業の際には、以下の手順で保健所への申請が必要です。
- 保健所から営業許可申請書、営業設備の配置図を入手する
- 物件を扱っている不動産屋から水質検査成績証明書を入手する
- 申請書に必要事項を記入する
- 申請書を保健所に提出する
申請後には、保健所から検査係がカフェに派遣されて、申請に間違いがないかを検査します。
後日確認したいことが出てくる可能性があるため、保健所の方から名刺をもらっておくとよいでしょう。
保健所の検査の詳細は、以下の記事も参考にしてください。
カフェの開業に必要な4つの準備
カフェ開業に必要な準備には、主に以下の4点があります。
- 経営に関して知識を持つ
- 物件を探す
- 競合店を調査する
- 開業資金や運転資金の内訳を確認する
ここから詳しく説明します。
経営に関して知識を持つ
カフェのオーナーになるなら、経営に関する知識を持っていなければなりません。
カフェのオーナーは人を雇う側であり、従業員の生活を支える存在になります。カフェの経営が失敗したら、従業員の生活や将来を壊すことにつながります。
オーナー向けのセミナーが各地方自治体で開催されているため、積極的に参加して情報を集めましょう。
また、カフェを開業する際には、売上目標を作成しなければなりません。経営を始めてからの営業や集客を検討して、現実的な売上目標と事業計画書を作成しましょう。
1か月の売上目標を検討する
開業前の目標は、最初に1か月の売上目標を検討しましょう。
売上は「客単価×客数」で計算できます。売り上げを増やすためには、メニューの価格を高くしたり、お客様の数を増やしたりして、客単価や客数を上げる必要があります。
売上目標の決め方の例を、以下に示します。
- 夫婦2人で経営するとして、売上目標を月150万円に設定する
- 月に20日営業するなら、1日あたり75,000円の売上が必要となると、計算する
- 客単価を750円とすると、1日にお客さんは100人集める必要がある
- 座席数が20席の店なら、5回の回転数があれば100人が来客することになる
上の計算で、1日75,000円の売上を作る必要があると分かります。これを1か月続けると「75,000円×月20日=月150万円」の売上が生まれます。
売上目標を日割りで計算をする
1か月あたりの売上目標から、平日や土日、祝日に営業することを踏まえて、日割りの売上目標を計算しましょう。土日や祝日の方が、平日よりも集客数を確保できます。
平日の売上予想と休日の売上予想の両方を出して、月の売上目標を算出することが必要になります。
たとえば、休日は10万円、平日は6万円の売上目標に設定すると、月の売上目標である150万円の達成が可能です。
- 休日:10万円×月8日=80万円
- 平日:6万円×月12日=72万円
- 1か月の総額:80万円+平日72万円=月152万円
このように「1日の売上目標」「月の売上目標」「1年の売上目標」を定めると、適正なメニューの価格が分かってきます。価格を決める際は、開業する地域での適正価格帯も考慮しましょう。
物件を探す
コンセプトごとに、開業すべき場所は変わってきます。ここでは、コンセプトごとの開業する場所や、コンセプトに沿っているかのチェック項目を紹介します。
コンセプトごとに開業する場所は変わる
以下の表を参考にして、コンセプトごとに開業する場所を検討しましょう。
コンセプト | 回転率 | 客単価 | 開業する場所 |
---|---|---|---|
食事が提供できるカフェ | カフェメインの店よりは落ちる | 客単価を上げる | 少し郊外で開業する |
カフェをメインにする | 回転率を上げる | 客単価を下げる | 人通りの多い場所 |
ゆったりとさせたい場合 | カフェメインの店よりは落ちる | 客単価を上げる | 1本奥まった所 |
食事を提供するカフェの場合は、カフェメインの店より回転率が落ちます。この場合、食事を提供することを活かして客単価を上げることで、郊外に開業しても、売り上げを確保できるでしょう。
カフェをメインにする場合、客単価が低いため、人通りの多い場所で開業して回転率を上げることで売上を確保できます。
雰囲気をゆったりとさせたい場合は、人通りの多い場所は合わないため、1本奥まった所で開業するとよいでしょう。
コンセプトに沿っているかのチェック項目
検討中の店舗が、コンセプトに沿っているかどうか、以下の表を参考に確認してください。
チェック項目 | チェック内容 |
---|---|
外観 | 店内の雰囲気と合っているか |
入口 | POPや立て看板はどのようなものを使っているか |
店内 | 雰囲気、清掃の状態、メニューの数、おすすめメニュー、メニューの価格 |
その他 | スタッフの接客レベル、メニューの価格や回転率から売上を予測 |
「お客様から見える位置にキッチンを配置するのか」「理想とする雰囲気を出すために、どのような内装デザインにするか」などを決める必要があるでしょう。
内装デザインは、開業資金にも関係します。用意する資金でできる範囲でコンセプトに沿ったデザインを検討しましょう。
競合店を調査する
地域のカフェや喫茶店、ファーストフード店などの競合になりうる店舗を調査して、主に以下の2点を確認しましょう。
- 地域の競合店のコンセプト
- メニューの価格帯
近隣の競合店のコンセプトを調査して、自店のコンセプトをかぶらないようにしてください。似たコンセプトのお店が近くにあると、お客さんを奪い合うことになります。
開業前のコンセプトを決める前に、競合店を調査しておく必要があります。
カフェのメニュー価格は、地域によって相場が異なるため周辺の店を調査しなければなりません。あまりにも周辺のカフェと価格が違うと、人気が出ない可能性があります。
インターネット上に価格の情報が掲載されています。「地域名+カフェ」と入力して検索すれば、すぐに競合店の情報を集められるでしょう。
必要に応じてピックアップした店に直接立ち寄って、競合店を調査しておいてください。
来店して調査する際には、以下の点に着目しましょう。
- 外観と店内の雰囲気
- 入口に置かれているPOPや立て看板の特徴
- 店内の雰囲気
- 清掃の状態
- メニューの数
- おすすめメニュー
- メニューの価格
スタッフの接客レベルメニューの価格やおおよその回転率から、競合店の予想売上も算出します。
調査結果から「どのようにすれば、自分のカフェがそのカフェに勝てるか」も考えておきましょう。
開業資金や運転資金の内訳を確認する
開業資金や運転資金に関して、以下の項目を確認していきましょう。
- 必要な資金の内訳
- 自己資本からはどのくらい手出しが必要?
- 原価率と利益率の割合
- 都市部と田舎での開業資金の違い
それぞれ詳しく解説します。
必要な資金の内訳
開業に必要な家賃・保証金・工事費の金額の目安を以下にまとめています。
資金の内容 | 目安の金額 |
---|---|
店舗の家賃 | 1坪2万円×15坪=家賃30万円 |
店舗の保証金 | 家賃×10ヶ月分=保証金300万円 |
店舗の工事費 | 坪単価30万円×15坪=450万円 |
他のカフェと違いを出したい部分には、集中して資金を投入する必要があります。
たとえば、こだわりのコーヒーや紅茶を用意するなら、材料の調達に資金を集中させる必要があるでしょう。また、くつろげる雰囲気に注力するなら、内装デザインに資金を投入する必要があります。
カフェの規模によって開業資金と運転資金は変わってきます。目安として、開業資金と運転資金を合わせて、500~1,200万円ほど準備できると安心です。
内装工事費用の相場は、以下の記事で詳しく解説しています。
自己資本からはどのくらい手出しが必要?
開業資金のうち、3分の1は自己資金で用意することが理想とされています。残りの3分の2は、各所からの借入を検討してみましょう。
開業に必要な金額が1,200万円としたときの、内訳の目安を以下に示しています。
調達の方法 | 全体の割合 | 金額 |
---|---|---|
自己資金 | 3分の1 | 400万円 |
借入 | 3分の2 | 800万円 |
合計 | 1,200万円 |
融資の借入先は「日本政策金融公庫の新創業融資制度」「銀行や信用金庫での融資」を利用するのがおすすめです。また、家族や親族からの借入を検討してもよいでしょう。
開業資金の相場や融資のポイントは、以下の記事も参考にしてください。
原価率と利益率の割合
カフェの原価率と利益率の理想的な数値を以下にまとめています。
カフェの原価率 | 30%ほどが理想 |
カフェの利益率 | 10%ほどが合格ライン |
原価率を下げれば利益が増えるので、上記よりも原価を下げられるなら下げたほうがよいでしょう。しかし、原価を下げ過ぎて、競合店にサービスや品質で負けないように注意してください
都市部と田舎での開業資金の違い
都市部でカフェを出店する場合には、最低でも850万円程度は必要です。田舎で出店する場合は、最低500万円ほどで出店できます。
都市部の方が田舎よりも物価や土地代が高い分、開業資金も高くなりがちです。ただし、田舎は都市部よりも人口が少ないため、集客が難しい可能性があります。
カフェの開業資金を抑える方法
カフェの開業資金を抑える方法を3つ紹介します。
- 居抜き物件を利用する
- 中古で備品を揃える
- 工事費用は相見積もりをとる
それぞれ詳しくみていきましょう。
居抜き物件を利用する
居抜き物件で使える設備を流用すると、開業資金を抑えられるでしょう。内装工事費や設備費は、カフェの開業資金のなかで、半分程度を占めることがあります。
カフェや喫茶店など、流用できる設備が多い店舗の居抜き物件を選ぶと、大きな金額の節約につながります。
居抜き物件を利用するなら、内見の際に設備が使えるか確認しておいてください。設備の老朽化や故障によって、思ったより内装工事費や設備費が安くならなかったという事態を避けられます。
中古で備品を揃える
椅子やテーブル、厨房機器などの備品を中古で揃えることで、費用が抑えられます。中古でも、新品同様の備品を扱っている業者はあるため、探してみてください。
ただし、状態がよくない場合、すぐに修理しなければならない可能性があります。商品の状態や使用年数、保証の有無などをあらかじめ確認して購入しましょう。
工事費用は相見積もりをとる
複数業者に見積もりをとる、相見積もりを使えば、内装工事にかかる費用相場がわかり、極端に高い業者を選ばずに済むでしょう。
同じ工事内容で見積もりをとる必要があります。同じ条件で比較して適正価格を確認しましょう。
まとめ:繁盛する店舗を目指すにはカフェ開業の準備を怠らない
カフェを開業する際には、以下の準備をしておきましょう。
- 経営に関して知識を持つ
- 物件を探す
- 競合店を調査する
- 開業資金や運転資金の調達
カフェの経営は、想像以上にハードである場合があります。上記の準備を怠らず、繁盛する店舗を目指してください。
また、開業資金にお金が使えない場合、内装工事費を抑えましょう。内装工事費は、開業資金のなかでも、特に大きな金額が必要です。
内装工事費を相場よりも高額にならないようにするため、相見積もりをとることをおすすめします。
相見積もりとは、同じ条件で複数の業者から見積もりをとることです。相見積もりをとると、内装工事費用が極端に高い業者への依頼を避けられます。
相場に見合った見積もりを提示した業者に依頼して、内装工事費用をできるだけ抑えてください。
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