カフェの開業のための5つの準備

退職後に夫婦でカフェを経営してみたい、自分が好きなカフェを開業してみたいという夢を持つ方が増えてきています。確かにカフェでゆっくりできる時間はとても爽やかで、そうした時間を提供できることは魅力的です。

しかし、どんな仕事でも同じですが、カフェの経営も決して簡単なものではありません。カフェを開業するために、最低限理解しておかなければならない5つの準備についてご説明します。

準備1:どのようなカフェを開きたいか?

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カフェに行くのが好きだから、自分でもカフェを開業してみたいという気持ちだけで開業すると、後々経営を続けていくことが難しくなります。

フランチャイズではなく独立してカフェを開業するには、カフェのコンセプトをはっきりさせなければなりません。カフェのコンセプトが決まっていないと、店の方向性や経営方針も決まらなくなります。

コンセプトには、自分のカフェはどのような客層を対象にするのか、基本的なメニュー、店ならではのメニューなどを決めていくことが含まれます。

カフェは料理も提供できるため、ターゲットとする客層をはっきりさせる必要があります。昼間に時間のある主婦をターゲットにするのか、子供連れの主婦をターゲットにするのか、若い人を呼び込むのかによってメニューは変わります。

主婦がターゲットであれば紅茶の種類を豊富に揃えたり、子供連れであればケーキなどを充実させることもできます。しかし若い人であれば、コーヒーの種類を充実させたり、食事のメニューも増やさなければならないでしょう。

どのような客層を集めるのかによって、準備するメニューは変わってくるのです。

準備するメニュー

大手のカフェやケーキ屋があるため、カフェは競合が多いタイプの飲食店になります。その店のオリジナルメニューや他のカフェとは違うメニューを作らないと、長く経営を続けていくことは難しくなります。

お客様は、あのカフェに行けばあのメニューを食べられる、あのドリンクを飲めると思うからこそ通ってくれるものです。他のカフェとは一線を画す独自性を、メニューの中にも示せるようにしなければなりません。

とはいえ、そのメニューがカフェの雰囲気に合わないものであれば、カフェ自体の雰囲気を壊してしまう可能性もあります。ですから、自分のカフェに対するイメージを明確なものにしておく必要があります。

カフェの雰囲気、外装、内装、客層、メニューに統一感があるカフェは、何度も通いたくなる気持ちを抱かせてくれるものです。まずは、自分がどのようなカフェを開業したいのかをはっきりさせましょう。

準備2:開業に必要な資格や申請

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カフェを開業したいからといって、許可もなく店を開いてしまうと法律違反になります。カフェを開業するためには、開業に関係する資格を取得し、各所へ正しい申請を行う必要があります。

カフェを開業する際、絶対に必要になる資格は食品衛生責任者の資格です。

資格と聞くと時間がかかるのではないか、勉強しなければいけないのではないか、不合格になったらどうしようと不安に感じる方も多いようです。確かに食品衛生責任者という資格は必須ですが、考えるよりも取得はずっと簡単です。

保健所や都道府県にある食品衛生協会に講習日を聞いて、指定された場所で講習を1日受ければ受講証明書を取得できます。学ぶ科目は、公衆衛生学、食品衛生学、衛生法規で、地域によっては受講後に簡単なテストがあります。

もう1つ、防火責任者という資格も必要になります。

多数の人が集まる場所で火災が起きると、被害が甚大になる可能性が高いため、こうした場所では防火責任者が防火管理業務を行なわなければなりません。

防火管理者の資格は2種類あり、乙種防火責任者は延べ面積が300m2以下、収容人数が30人未満のテナントなどを管理できます。そして甲種防火責任者は収容人数の制限なく、防火管理業務を行うことが許されています。

カフェの大きさによって、どちらの防火責任者の資格を取得しなければいけないかを判断できますが、基本的には乙種防火管理者の資格があれば十分でしょう。

必要な資格

続いて、保健所への申請についてご説明します。

まず、保健所から営業許可申請書、営業設備の配置図を入手し、物件を扱っている不動産屋から水質検査成績証明書を手に入れます。申請書に正確に情報を記入したら、すべての書類を保健所に提出します。

その後、保健所から検査係がカフェに派遣されて、申請に間違いがないのか、飲食店として保健所の基準を満たしているのかを検査することになります。

保健所の人とよくコミュニケーションを交わしておき、質問をしたら名刺をもらって、誰から説明を受けたのかをはっきりさせておくことも重要です。

準備3:オーナーとしての心構え

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カフェを経営するためには、紅茶やコーヒー、ケーキが好きというだけでは不十分です。

カフェに就職する、アルバイトとして働くという場合であれば、好きという気持ちだけでも十分かもしれません。しかし、カフェのオーナーになるということは、経営に関しても知識を持っていなければなりません。

従業員の時は給料をもらう側ですが、カフェのオーナーになれば人を雇う側となり、従業員の生活を支える存在になります。仮にカフェの経営が失敗したら、従業員の生活や将来を壊してしまうことにもなりかねません。

カフェを開業する時には、従業員の人生を預かっているという自覚を持たなければなりません。オーナー向けのセミナーなども各自治体で開催されていますので、こうしたセミナーに参加して積極的に情報を入手しましょう。

カフェを開業する際は、現実的な売上目標を作成しなければなりません。開店すればお客様が来てくれるという甘い考えでは、すぐに経営は立ち行かなくなりますので、現実的な売上目標と事業計画書を作成しましょう。

現実的な売上目標と事業計画書

まず、売上目標について考えます。

カフェでいう売り上げとは、客単価×客数ということになります。客単価とは1人のお客様が注文した総額を表すものなので、売り上げを増やすためにはメニューの価格を上げるか、お客様の数を増やすことが必要となります。

客単価×客数=売上

たとえば、夫婦2人でカフェを経営するとして、売上目標を月150万円に設定してみましょう。月に20日営業を行うとすると、1日の売り上げとして75,000円が必要になります。

客単価を750円として計算すると、1日にカフェを訪れるお客の数は100人必要となり、座席数が20席の店であれば、5回の回転数があれば100人の来客という計算になります。

客単価750円×100人=1日75,000円
75,000円×月20日=月150万円

しかし、これはあくまで単純計算となります。

実際は土日や祝日も営業することになるため、週末や祝日の方がお客様の数を確保できます。ですから、平日の売上予想と休日の売上予想の両方を出して、月の売上目標を算出することが必要になります。

たとえば、休日は10万円の売上目標、平日は6万円の売上目標にすると、月の売上目標の150万円を達成することができます。

休日10万円×月8日=80万円
平日6万円×月12日=72万円
休日80万円+平日72万円=月152万円

このように、客単価、客数、1日の売上目標、月の売上目標、1年の売上目標を定めることで、自然と適正なメニューの価格が分かってきます。価格を決める際は、開業する地域で望ましい価格帯についても考慮しましょう。

準備4:物件探しと競合店の調査

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カフェを開業する場所はコンセプトにも関係するため、まずどのようなカフェを開きたいかを決めなければなりません。同時に1年間の売上目標も、あらかじめ決めておく必要があるでしょう。

食事も提供するカフェの場合は、カフェメインの店より客席の回転率が落ちます。その場合でも、人通りの多い場所ではなく少し郊外で開業することで、回転率は低くても、客単価を上げることで売り上げを確保できます。

カフェをメインにする場合は、人通りの多い場所で開業し、客単価を下げ、回転率を上げることで売り上げを確保します。雰囲気をゆったりとさせたい場合は、人通りの多い場所は合わないため、1本奥まった所で開業すると良いでしょう。

以下のようなタイプを意識しながら、カフェのコンセプトによって開業する場所を決めましょう。

コンセプト回転率客単価開業する場所
食事が提供できるカフェカフェメインの店よりは落ちる客単価を上げる少し郊外で開業する
カフェをメインにする回転率を上げる客単価を下げる人通りの多い場所
ゆったりとさせたい場合カフェメインの店よりは落ちる客単価を上げる1本奥まった所

カフェのメニュー価格をどれくらいにするかは、地域によって異なるため周辺の店を調査しなければなりません。あまりにも周辺のカフェと価格が違うと、それだけで人気が出ない可能性もあるため、競合店の調査は欠かせません。

開業予定の地域にあるカフェをピックアップして調査することになりますが、「地域名+カフェ」と入力して検索すれば、すぐに競合店の情報を集められるでしょう。

カフェについては、他の飲食店よりもはるかにインターネット上に情報が集まっているため、情報収集は簡単です。こうしてピックアップした店に直接立ち寄って、競合店を調査しましょう。

まずは、外観と店内の雰囲気が合っているか、入口に置かれているPOPや立て看板はどんなものを使っているかをチェックします。続いて、店内の雰囲気、清掃の状態、メニューの数、おすすめメニュー、メニューの価格を把握します。

スタッフの接客レベルもチェックし、さらにメニューの価格やおおよその回転率から、競合店の予想売上も算出します。最後に、「どのようにすれば、自分のカフェがそのカフェに勝てるか」を考えましょう。

チェック項目チェック内容
外観店内の雰囲気と合っているか
入口POPや立て看板はどのようなものを使っているか
店内雰囲気、清掃の状態、メニューの数、おすすめメニュー、メニューの価格
その他スタッフの接客レベル、メニューの価格や回転率から売上を予測

自分のイメージするカフェや周辺の競合店を考慮して、内装業者とも打ち合わせしながら、自分のカフェのデザインを決めていきましょう。

お客様から見える位置にキッチンを配置するのか、理想とする雰囲気を出すために、どのような内装デザインにするかも決める必要があるでしょう。内装デザインは開業資金にも関係してきます。

準備5:開業資金や運転資金の調達

カフェの内装デザインを考える際は、自分が準備できる開業資金を見極める必要があります。カフェを開業するための資金、営業を続けるための運転資金を、別々に計算しなければなりません。

開業する時に必要になるお金は、家賃、手数料、敷金などの物件に関する費用、内装工事や設備工事の費用、厨房機器などの設備費用、食器や備品などの雑費、人件費といったものです。

開業する時に必要になるお金

資金の内容目安の金額
店舗の家賃1坪2万円×15坪=家賃30万円
店舗の保証金家賃×10ヶ月分=保証金300万円
店舗の工事費坪単価30万円×15坪=450万円

特に、他のカフェと違いを出したい部分に、集中して資金を投入する必要があります。

たとえば、ここでしか飲めないこだわりのコーヒーや紅茶を用意するなら、材料の調達に資金を集中させる必要があるでしょう。また、くつろげる雰囲気にしたければ、内装デザインに資金を投入する必要があります。

自分がこだわりたい部分に重点的に資金を使い、その他の部分では少し節約するなどメリハリをつけるようにしましょう。

カフェの規模によって開業資金と運転資金は変わってきますが、開業資金と運転資金トータルで、500~1,200万円ほど準備できると安心です。

1,200万円のうち、自己資金はどれくらい準備しなければいけないかというと、全体の3分の1を自己資金で用意することが理想とされています。残りの3分の2は、各所からの借入を検討してみましょう。

調達の方法全体の割合金額
自己資金3分の1400万円
借入3分の2800万円
合計1,200万円

融資の借入先は、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用したり、銀行や信用金庫での融資を検討することができるでしょう。その他にも、家族や親族に借入をお願いすることもできます。

カフェの原価率は30%ほどが理想とされており、利益率は10%ほどが合格ラインとされていますので、カフェを開業する時はこの数字を目安にしましょう。

カフェの原価率30%ほどが理想
カフェの利益率10%ほどが合格ライン

もちろん、原価率を下げれば売り上げは増えるので、原価を下げることも頭に入れておかなければいけません。しかし、原価を下げ過ぎると、競合店にサービスや品質で負けることになるためバランスが大切です。

まとめ

このように、カフェを開業するためには多くの準備が必要になります。

まず、自分が開業したいと考えているカフェのコンセプトを明確にしましょう。続いて、カフェを開業するために必要な資格や申請の方法をきちんと理解して、法律に違反しないように注意しましょう。

現実的な売上目標を算出することも必要ですし、物件をどこにするのか、開業資金と運転資金についても理解しておかなければいけません。

準備すべきことはたくさんありますが、自分のカフェを開業できるのは本当に素晴らしいことです。ぜひ良い準備をして、多くのお客様が来店されるカフェを開業してください。

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